トンネルに映像投影、VRでダム瀑布 最新技術で進化する「インフラツーリズム」
国交省の調査によると、全国のインフラでの現場見学会は平成30年度から2年連続で489件を記録。その後、新型コロナウイルス禍で約6割にまで減少したが、4年度は前年比69件増の377件と回復傾向にある。
民間事業者によるツアーも徐々に増えてきており、地下40メートルにある洪水対策用の調整池で阿波おどりを鑑賞するイベントや、船で海上からコンビナートを巡るツアー、ダム湖を水陸両用バスで遊覧する見学会など、特徴や状況に応じた多彩な企画が出てきている。
今後鍵となるのは、地域との連携だ。ツアーやイベントでは、地元ボランティアが携わることが多いが、地方では高齢化により不足するケースもあり、担い手の掘り起こしが課題となっている。近畿でツアーづくりに取り組む担当者は「若者世代の新しい発想も取り込み、地域が主体的に関われるような企画を打ち出していきたい」と話した。(秋山紀浩)