なぜ久保建英と堂安律のホットラインが機能したのか…Uー24代表がガーナに6-0圧勝
さらには左サイドハーフに、1対1での仕掛けを得意とする相馬勇紀(名古屋グランパス)が先発した2列目の顔ぶれが、ある攻撃パターンを閃かせたと堂安は続ける。 「相馬くんは僕たちとはタイプが違うと練習からわかっていたので、僕と建英とでポジションを入れ替えながら相手を崩して、サイドチェンジをする場面が多くなる、と。だからサイドに張っていて、仕掛けてほしいという話をしていました」 A代表に専念する森保一監督に代わり、U-24代表の指揮を執る横内昭展監督から「流動的に、流れのなかで変わったらそのままでもいい」とお墨付きを得ていた状況が、お互いを生かし、生かされるポジションチェンジをスムーズに機能させた。 「理屈や戦術だけじゃ上手くいかない。僕は建英のよさをわかっているし、建英も僕のよさをわかってくれている。チームを引っ張っていかなければいけない2人が最初に点を取れたことは、チームとして勢いに乗っていきやすいと思う」 後半に決まった相馬や上田、そして途中出場の三笘薫(川崎フロンターレ)のゴールの呼び水になった2発に手応えを深める堂安に、久保も思いをシンクロさせた。 「自分がやりたいプレーを、堂安選手もしている。同じレフティーで特長も似た選手がいると自分もすごくやりやすいし、相手にとっては嫌なのかなと思います」 東京五輪の開幕まで50日を切った土壇場で、オーバーエイジを招集していない攻撃陣の中心で、競争から共存へと関係を昇華させた堂安と久保が、以心伝心をキーワードとしてまばゆい輝きを放ちはじめた。 (文責・藤江直人/スポーツライター)