【速報】元妻・須藤早貴被告に『無罪』 判決言い渡し時『須藤被告は涙を流し弁護人がハンカチを渡す』 ”紀州のドン・ファン”殺害事件 弁護側「うすい灰色をいくら重ねても黒にはならない」と無罪主張 検察側は無期懲役を求刑
■「紀州のドン・ファン」野崎幸助さん 55歳年下の須藤被告と結婚後約3カ月で死亡
須藤早貴被告(28)は6年前、和歌山県田辺市で元夫で資産家の野崎幸助さん(当時77歳)に覚醒剤を摂取させ殺害した罪に問われています。 野崎さんは地元の中学校を卒業後、金融業や酒類の販売、不動産事業などで成功し、一代で億単位の財産を築きました。 多くの女性と交際してきたことを赤裸々に語り、スペインの伝説上のプレイボーイになぞらえて、「紀州のドン・ファン」と自ら称していました。 2018年、76歳の時に、55歳年下の須藤被告と結婚。 しかし、結婚からおよそ3カ月後、野崎さんは自宅で死亡した状態で見つかりました。
■取材には殺害否定も 死亡から3年後に須藤被告が逮捕・起訴される
死因は「急性覚醒剤中毒」。 他殺なのか、自分で覚醒剤を服用したことによる事故死なのか。 疑惑の目は、事件当時、家にいた須藤被告に向けられ、FNNの単独取材では殺害を否定していました。 【須藤被告(2018年)】「本当に殺してないです。社長の前の女の人が覚醒剤をやっていたと、家政婦の方から聞いています」 捜査は難航し、事件から3年後の2021年、野崎さんに致死量の覚醒剤を口から摂取させて殺害したとして、須藤被告が逮捕・起訴されました。
■「私は無罪です。私は社長(野崎さん)を殺していません」須藤被告は初公判で無罪主張
さらにそれから3年、ことし9月にようやく始まった裁判の争点は2つ。 <争点①>野崎さんは本当に殺されたのか。 つまり「殺人事件なのか」という「事件性」。 <争点②>殺人事件だとして須藤被告は犯人なのかという「犯人性」。 初公判で須藤被告は「私は無罪です。私は社長(野崎さん)を殺していませんし、覚醒剤を摂取させたこともありません」と無罪を主張しました。 検察側は冒頭陳述で、「完全犯罪により莫大な遺産を得るため、致死量の覚醒剤を摂取させて殺害した」と指摘。 一方、弁護側は「野崎さんが自分の意思で飲んだことは完全に否定できるか」などと反論しました。
■覚醒剤の「売人」が法廷に
直接証拠がない中で、検察側は28人もの証人尋問を実施することになりました。 その中には、2人の「覚醒剤の密売人」も含まれていました。 まず1人目は傍聴席からは姿が見えない状態で証言台に立ち、次のように証言しました。 【検察側】「平成30年(2018年)ごろ、どうやって収入を得ていましたか」 【証人】「売人」 【検察側】「何を売っていましたか」 【証人】「覚醒剤」 突然の「売人」の登場に傍聴席は少しざわつきました。 「売人」は2018年4月7日の深夜から8日にかけて、田辺市で女性に覚醒剤を4グラムから5グラム売ったと証言。 検察側は、覚醒剤の売買があった日に須藤被告と売人の通話履歴があることなどから、覚醒剤を買った女性が須藤被告であると指摘しました。 その後、もう一人の「”覚醒剤”を実際に仕入れた売人」が法廷に立ち、田辺市内で女性に売ったのは「氷砂糖」だったと証言しました。 「売人」同士で証言が食い違う中、野崎さんの会社の元従業員や野崎さんと交流のあった人物も証言台に。 【検察側】「証人から見て2人はどう見えた?」 【元従業員】「とても夫婦には見えなかった」 【検察側】「野崎さんは何か言っていた?」 【元従業員】「これはだめだ、別れるしかないなと言っていた」 野崎さんが死亡する直前に愛犬の「イブ」が死んでいて、その時の野崎さんの様子についても証言がありました。 【検察側】「愛犬のイブが死んで社長の様子はどうだった?」 【元従業員】「体中の力が抜けたようで、元気がなかった」 【検察側】「社長はイブが死んだあと、死にたいと言ったことはあった?」 【元従業員】「言ってない」 【検察側】「イブが死んだことに対して、何かする予定はあったか?」 【元従業員】「イブをしのぶ会を開いて、ワイワイしようと言っていた」 夫婦関係が冷え切っていたことや、野崎さんが先の予定を楽しみにしていて、「自殺の可能性はないとみられたこと」を証言しました。
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