古河電工、アルミハーネス搭載150車種超へ。車電動化追い風・6年で6割以上拡大
古河電工は戦略製品の一つに位置付けるアルミワイヤハーネスの搭載が、今後6カ年で6割以上増え150車種超に拡大すると見通している。自動車電動化に伴い車両が重くなる見通しで、低炭素化や航続距離延長の観点で燃費向上に寄与する軽量なアルミハーネスの需要拡大が見込まれる状況。加えて同社はアルミ電線を高信頼性・低コストで接続可能な部材などで差別化を進めており競争力を発揮できると見る。自動車部品事業部門長の内田輝義執行役員常務は5日にウェブ形式で開催した事業説明会で「車の電動化は我々に追い風になると考えている」と話した。 ハーネスに使う電線の電気導体を一般的な銅から軽量なアルミに代替すると電線重量の大幅抑制が可能になる。信頼性などの面で重要な電線接点の耐食性確保について、独自技術であるアルファ端子を有することが同社の強み。アルファ端子は金属材料やレーザによる溶接加工など自社内の多様な技術を結集して開発したものとなっている。 電動化により車両の重量は1~3割程度の増加が見込まれ、今後軽量なアルミハーネスのニーズ拡大が予測される状況。加えて燃費向上に貢献する軽量化ニーズはガソリン車についても期待できるという。 同社のアルミハーネスは2023年度には日系自動車会社の自動車を中心に92車種に納入されている。今年度は104車種、25年度には112車種に拡大する見通し。その後も右肩上がりでの搭載増を見込み、29年度には150車種を突破すると予測する。さらにその後も伸びを見通す状況。搭載増について「30年度までは日系顧客向けが中心となるが、チャンスがあればそこに限らず広げていく」(内田常務)という。 材料では導体用のアルミ素材をインドネシアで製造しベトナムで電線に加工。アルファ端子については国内製造している。30年度までにアルミ電線の生産量を5割、アルファ端子の生産量を2倍に拡大させる計画。需要を勘案しながら能力増強も進める考えだ。