ずっと「子どもを産みたいと思えなかった」バービーが妊娠を発表するまでの気持ちの変化
子どもが欲しいと強く思えたきっかけ
やっと訪れた私にとっての精神的妊娠適齢期。 そんなこんな自然な流れで、結婚を機に自分の中でゴーサインが出た。「妊娠してもよし!」というサインだ。 「欲しい!」というより「後悔したくない!」という消極的な妊活が始まったのだ。そのときはまだ「欲しい! 大丈夫!」ではなかった。でも、妊活を始めてから「子どもが欲しい!」と強く思えたきっかけとなる出来事が2つほどやってきた。 1つ目は、犬を飼い始めたこと。 愛犬が、私に元々備わっている「可愛い」「愛おしい」という感情の限界値を遥かに超えてきた。どれだけイタズラされても目尻は下がりっぱなし。お留守番させてしまっている時間はそわそわで、仕事終わりは寄り道無し! 誰よりも早く帰るようになった。 愛犬を撫でておしゃべりして、ほっぺにチューして一日が終わることもある。家にいるだけで、何もしていないのに幸せだ。非効率で生産性皆無。こんなタイプの幸せがあったなんて! 成し遂げるとか自己表現とかじゃない充実。これまでの充実って対外的なものだったのかも、とさえ思えた。 生活の最優先事項は、犬。 あの人もこの人も、あの鼻につく炎上系インフルエンサーも、私にとっての愛犬・神ちゃんみたいに、愛おしくてしょうがないと思われてお世話されていた時代があったのだ。 そう感じると、生きとし生けるものが、神ちゃんに見えてきた。つまり、可愛く思えたのだ。それまでは家畜としてのにわとりしか飼ったことがなかった私には、衝撃的な人生の転機だ。 みんなペットを飼えばいいのに。もし私が時の権力者なら、犬と人間の共生に励むだろう。今なら徳川綱吉の気持ちがわかる。 愛おしさの限界突破によって、「人間を産んでいいのだろうか」という不安は薄らいだ。赤ちゃんが産まれても、可愛いに違いない。
妊活にストレスを感じていた頃も
だが、犬を迎える前は、妊活にかなりストレスを感じていた。不妊治療の副作用は、持ち前の根気でなんとかなるものではなかったのだ。 口では、「花菜(バービーの本名)ちゃんの体と気持ちが一番だよ」と言ってくれているが、夫・つーたんが子どもを望んでいることは感じていた。思うように妊娠に至らず、彼より6歳年上の私は申し訳なさを感じて眠れぬ夜もあった。 でも、神ちゃんを飼ってからというもの、真夜中が怖くなくなったのだ。ひと撫でして、ペロリと舐め返してくれたらそれだけで硬くなった首と肩がほぐれていくように温かさを感じた。 さらに、ハワイでの結婚式はその後押しになったと思う。 結局ハワイで浮かれていただけなんじゃないの? と思われるかもしれない。半分その通りだ。だが、色んなことを忘れて浮かれポンチになれることってそうそうない。 「結婚って、こんなにハッピーなことなんだ、みんな笑顔になるんだ」と思えたことで、「なんだ! 世の中捨てたもんじゃないなあ!!」となったのである。 長年悩んだわりに、あっさり胸のつかえは取れた。家族やパートナーを心の底から信頼することで、世界を肯定することができたのかもしれない。 ネットを覗くと、妊娠中や子育て真っ最中の母親に対する風当たりは、信じられないほどにどんどん強いものになっている。ましてや、私は人前に立つ職業なので心ない言葉をかけてくる人もいるかもしれない。 でも、どんなことがあっても子どもを守り抜くという覚悟ができた。ハワイ挙式のパワーはすごい。 いよいよ、心の準備が整ったぞ! さあ、いつでもどうぞ! といったところで今回の妊娠となった。 というわけで、不妊治療をして3年。こうして妊娠していることをみなさんに報告できるようになった。当然のごとく、不妊治療は簡単ではなかったけれど、授かることができたのは奇跡だと痛感できたことだけでもいいのかもしれない。このことはまた追ってみなさんにお伝えしていきたいと思う。