「女性だから、年下だからと軽率に見ていた」13歳少女と性行為した特定少年に実刑判決
●過去のいじめの経験と被告人の認知と
被告人は、弁護人からの被告人質問で、Aとはあくまで合意を得ていたと主張。その上で、年齢も把握しており、犯罪であることも認識していたという。 弁護人「合意はどのようにして確認を」 被告人「SNSのDM(ダイレクトメッセージ)でセックスフレンドの関係となることを確認しました」 弁護人「会ってから確認はしましたか」 被告人「確認しました」 弁護人「相手は13歳で年下ですが、抵抗はなかったのですか」 被告人「不安があったので、DMだけでなく、会った際にも確認しました」 セフレ関係の合意について供述する被告人。13歳の少女と性的関係を持つ抵抗感があるようにはうかがえなかった。 事件当時の精神状態については、過去に受けたといういじめの経験を挙げた。小学生、中学生のとき、怒られたり、いじめられるのが当たり前の環境だった。そこで自分では考えることを止め、相手に合わせることで自分を保ってきたという。 被告人に好意的なAに合わせた一連の行為だったということだろうか。しかし、過去の事件も含め、性的事件を繰り返すことの原因については明確な答えは出てこなかった。
●年齢を偽りAと接触
検察官からの質問では、Aとのやりとりについて追及された。 当初は、Aに近い年齢であるとの親近感をもたせようと年齢を低く偽っていた。Aから好意を伝えられると、「東京に行く」、「男子寮に入る」などとして関係を切ろうとしていたことが明らかになった。 裁判官からは、被告人の根底にある考えを聞くような質問がなされた。 裁判官「女性への見方が軽率で、ある種モノ的に見ていることにおかしさは感じてますか」 被告人「同じ人なのに、女性だから、年下だからと軽率に見てたのは愚かだと思ってる」 裁判官「そういうことはしてはいけないと、(過去の)逮捕時の指導などで学んではきてませんか」 被告人「一番言われたのは、相手の意思を尊重するということ。しかし、それをいいように捉えてしまっていました」
●「実刑は免れない」と厳しく判示
結論は懲役3年の実刑判決だった。 裁判所は、女性を性処理の道具として捉え、少年時からの認知の歪みは顕著で、事件時に特定少年であったものの実刑は免れないと厳しく非難。一方で、被害弁償金を用意している点、若年での思慮が浅い点などは刑期において酌量した。 裁判長は、最後に被告人に対して「少年時の歪んだところがまだ治っていないと判断しました。被害者に与えた影響をよく考えて欲しい」と説諭した。