民間ロケットのカイロス2号機、まもなく打ち上げ 3度目の挑戦で初号機の汚名返上目指す
宇宙事業会社スペースワンが開発中の小型固体燃料ロケット「カイロス」2号機が、2度の日程延期を経て18日午前11時、和歌山県串本町のロケット発射場、スペースポート紀伊から打ち上げられる。カイロスは今年3月、初号機が爆発炎上し打ち上げに失敗しており、2号機は3度目の挑戦で汚名返上を目指す。 当初は14日に打ち上げの予定だったが、発射場上空が強風となったため発射約30分前に延期。次に設定された15日も、同じ理由で発射約30分前に延期された。両日とも、地表の天候に全く問題はなかったが、同社によると約10キロ上空は全く異なり、湿った空気が氷となって氷結層を作り出したり、ジェット気流が強まったりなど、非常に不安定なのだという。 同社の阿部耕三執行役員は、延期決定後の記者会見で「上空の天候は変わりやすく、数年前からデータを蓄積して予測しても、直前にふたを開けてみないと分からない面があり極めて難しい」などと理解を求めた。 今回の打ち上げは、2度目と違って2日間空けて設定しており、十分に天候の変化を見極めたとみられる。阿部執行役員も「次こそは皆さまに衛星の分離をご報告したい」と意気込んでおり、「3度目の正直」の有言実行に期待が高まる。 2号機は、初号機の打ち上げ失敗の経験に基づき、対策を施して打ち上げに臨む。小型衛星を5基搭載しており、軌道投入に成功すれば民間単独では国内初で、日本の宇宙開発における新たな時代の扉が開かれる。