プロ野球・今すぐトレードすべき「くすぶっている即戦力」は誰だ?
そしてもうひとり、類いまれな守備力をどう生かすべきか、と注目するのがロッテの松川虎生(こう)。ルーキーイヤーに佐々木朗希の完全試合をアシストした男も、2年目はわずか9試合、今季はいまだ1軍出場なしの状況に陥っている。 「守備に関しては1年目から古田さんや坂本クラス。フレーミングやブロッキングも抜群です。佐々木朗希が『松川はなぜか吸い込まれる』と評したように、ほかの捕手なら7回10奪三振の出来でも完封にまで持っていく特殊能力がある。ただ、打撃面はあまり伸びておらず、高校時代の"金属打ち"のまま。実にもったいないです」 ■くすぶっている投手は少ない? 実は今回、お股ニキ氏が挙げたトレード候補のリストに、投手の名前はほとんどなかった。強いて挙げれば、として名前が出たのが「やや制球に不安があるものの、左腕で球に強度がある」という笠谷俊介(ソフトバンク)、「変化球、投球センスはいいものを持っている」という田中瑛斗(日本ハム)、「中継ぎで使えば面白い」と語る八木彬(あきら・ロッテ)くらい。なぜ、投手はこれほど少ないのか? 「やはり投高打低の影響は大きいです。投手陣が整備され、チーム防御率2点台をキープする球団ばかりの現状では、くすぶっている印象の投手が少ないですね」 ある意味、希少なトレード候補といえる投手で、いかに実のあるトレードを実現させるか。お股ニキ氏が描くプランは野手立て直しが急務な西武と、先発陣の立て直しをしたい中日とのトレード案だ。 「今季出番の少ないダヤン・ビシエド(中日)と、去年は先発ローテを務めていた與座(よぎ)海人(西武)のトレードは双方にとってウィンウィンではないでしょうか。助っ人外国人が不発の西武は計算が立つビシエドなら欲しいでしょうし、Aクラス入りの目がある中日は先発の駒が欲しいはず。 ソフトバンクから巨人に移籍して今季序盤に活躍した高橋礼のように、初見のアンダースローは打ちにくいという利点もあります」 そしてもうひとつ、お股ニキ氏が以前から提唱するのが今オフのポスティング移籍が噂される髙橋光成(こうな・西武)を活用したトレード案だ。 「ポスティング移籍容認球団で、実績のある野手が余剰気味のDeNAや日本ハムとのトレードは、双方にとって実のある移籍になるはず。中日在籍わずか1年でポスティング移籍した大塚晶則(現・晶文)さんのような例もあります。前述した清宮や野村との大型トレードは球界活性化という意味でも見てみたいです」 現役ドラフト効果で移籍にポジティブな印象が強まった今、効果的なトレードを実現させる球団は出てくるのか? 文/オグマナオト 写真/時事通信社