プロ野球・今すぐトレードすべき「くすぶっている即戦力」は誰だ?
また、打撃力を生かすため、捕手からポジションを変えて成功する事例も多い。 「過去には和田一浩さん(元中日ほか)や小笠原道大さん(元巨人ほか)ら、元捕手の大打者は何人もいます。昨季首位打者の頓宮裕真(オリックス)、今季なら打撃力を生かして一塁で出番を増やした大城卓三(巨人)、一塁でオールスターに選ばれたマルティネス(日本ハム)に三塁でオールスターに選ばれた郡司(日本ハム)が当てはまります」 さらに、今年ならではの捕手事情もあるという。 「このオフは史上まれに見る大物捕手たちのFA豊作年です。甲斐拓也(ソフトバンク)、坂本誠志郎(阪神)、木下拓哉(中日)はすでにFA権を取得。 大城もFA権取得の可能性があり、21年からFA権を保持している梅野隆太郎(阪神)も複数年契約が切れる。今オフ、"球界捕手大移動"があるかもしれないだけに、先に期待の有望株を獲得しておくのも一手です」 その有望株でお股ニキ氏が推すのは阪神の中川勇斗(はやと)だ。 「まだ高卒3年目と若い選手ですが、フレーミングも良く、長打力もある。いい捕手にも、いい打者にもなれる可能性があるのに、1軍には梅野と坂本がいるため、3番手では経験が積めない。2軍でも出番が多いわけではないのが実にもったいないです」 同じく、甲斐と海野隆司の2枚看板が強固なソフトバンクにも埋もれた捕手が多い。 「谷川原健太、渡邉陸、牧原巧汰は打撃センスが非常に高い。牧原は先日、3軍戦ですが1試合3発を記録しましたし、守備にも意欲的。 谷川原は球団評価も高いのでトレードで出ることはないでしょうが、ソフトバンクは3番手にも嶺井博希がいて、注目度の高い大卒2年目の吉田賢吾もいるなど層が厚すぎます。捕手から内野手に転向してレギュラーとなった栗原陵矢のようにポジションを変えるか、球団を変えるか、という選択肢があってもいいはずです」 今季、田宮裕涼が台頭した日本ハムも、本来捕手登録の郡司やマルティネスが内野手で出場するほど捕手が豊富だ。 「清水優心(ゆうし)は若手時代から1軍で抜擢された結果、本来身につけるべき技術を習得できないまま20代後半になってしまい、似たタイプの田宮が台頭。古川裕大(ゆうだい)も打撃はいいものを持っているので、環境を変えてみるのはアリです」 セ・リーグでは、ヤクルトの内山壮真と古賀優大、広島の磯村嘉孝の名前を挙げる。 「内山はどのポジションも守れる高い運動能力が魅力です。一方、打撃に課題のある古賀は、小林誠司(巨人)のように守備特化型として活路を見いだせば面白い存在になる。広島は坂倉将吾と會澤翼がいて、第3捕手には石原貴規がいるので、31歳の磯村は他球団で力を試す道を模索してもいいかもしれません」