ピレリ、カタールGPで「問題発生の兆候はない」とポジティブ。昨年はタイヤトラブルで3ストップレースに
F1のタイヤサプライヤーであるピレリは、今年のF1カタールGPのプラクティスで使用したタイヤの初期分析を行なった結果、昨年起きたような問題が繰り返される可能性はないという。 【リザルト】F1第23戦カタールGP:スプリント予選 昨年のカタールGPでは、ロングランで使用されたタイヤにダメージが見つかった。高速レイアウトのこのコースでは大きなトラブルにつながる可能性があるとして、安全上のリスクを最小限に抑えるために、タイヤの使用を1スティント最大18周までに制限することになった。 これにより、レースは少なくとも3ストップする必要が生じ、各車がタイヤマネジメントをすることなく全力プッシュ。酷暑の厳しいコンディションの中で、体調を崩すドライバーも続出した。 ピレリは通常、練習走行後に無作為に選んだ3、4セットのタイヤを検査し、サイドウォールの一部とトレッドを切り取って、昨年ここで検出されたような微細な剥離をチェックしている。 今回のカタールでの唯一のプラクティス・セッションの後、ピレリはそのチェック範囲を2倍の8セットに広げた。今年は「ピラミッド型」の縁石の上部を丸くするために施された変更と、気温が大幅に下がったことで、タイヤへのストレスが軽減されたとピレリは考えているようだ。 ピレリのチーフエンジニアであるシモーネ・ベッラは、次のように語った。 「昨年起きたことを踏まえ、我々はFP1で使われたタイヤをいくつかチェックした」 「現時点では、昨年と同じようなことは起きていない。F1とFIAのサポートを受けて行なったすべての改良が影響しているようだ。本当にハッピーだ」 「我々はタイヤの新しいCADジオメトリーを縁石の上でシミュレーションしてみたが、その結果は現在サーキットで経験しているものと一致していた」 しかし今回のカタールGPは、スプリントフォーマットでの開催。時間的な制約もあり、19周で行なわれるスプリントレースがタイヤにとって最大のテストとなるだろう。 メルセデスのトラックサイドエンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリンは金曜日に、「ピレリがサーキットと協力して縁石を修正し、シミュレーションを行なったことで、昨年のように突然スティントの長さが規定されるような事態が起こらないことを願っている」と語った。 「そのための最初の良いデータはスプリントレースで得られるだろう」 ピレリは昨年はこの段階ですでに問題がある兆候が見えていたため、現段階でそうした兆候がないことに勇気づけられているようだ。 「言うまでもなく、結果はスプリント後に分かるだろう。より長い距離を走り、プッシュし、バトルをする。そこでより代表的なデータが得られる」 「明日には明確な答えが出るだろうが、昨年はこの段階ですでにタイヤに問題がある可能性が示唆されていたので、現時点では非常にポジティブだ」
Alex Kalinauckas