「ロビンソン酒場漂流記」取材会。マキタスポーツが影響を受けた志村けんとの思い出を語る
さらに「2回目のロケの時は、そぼふる雨にも見舞われて、本当にここでロケするのかとかと思いました。2回目からは雨も降っているし、『インチキですけど、車に乗りますか』と言ってくれるかと期待しましたが、それもなく、本当にその酒場のピリオドの向こう側へ連れてかれるという経験をさせられました。それがこの番組の良さなんだろうなと思いましたね」と、ちょっと、ボヤキとも取れる回答をする場面も。 実際に店の従業員やお客さんとの交流でも、「僕は初めて行く場所で、しかも、何をするのかも分からないまま店の外で待機しているんです。いわゆる、ファーストタッチという状態で中に入るんですよ。だいたい、郊外にポツンとある飲み屋さんは地元の方しかいらっしゃらないと思います。だから、完全によそ者が来たみたいな感じです。非常にローカル色が強い場所に、身一つで行く恐怖を毎回感じて、気持ちが落ち着かないです。毎回、転校生のような気持ちと言うか、そんな感じですね」と不安を漏らしつつも「そこから若干お酒の力も借りつつ、会話の糸口を見つけて、あと、実際にいただく料理のお魚の類が、非常においしいものが多いので、そこで心が和みます。そして、わざと聞こえるように『おいしい』と言うと店主の方がほほ笑んでくださって、そこから交流が始まるその瞬間が一番いいですね」と喜んでいた。 これまでの飲みの席で印象深いエピソードを問われると、「志村けんさんの飲み方に、すごく影響を受けました」と即答。「ある時に志村さんと共演をさせていただいた後、打ち上げの席で、僕は志村さんに緊張しつつその日の仕事の内容について相談を持ちかけたんです。その時、志村さんのグラスを私が手にとって、焼酎の水割りだっのおかわりを作った際、焼酎と水をマドラーでかき混ぜてから渡そうと思ったら、志村さんが『待て!』と言うわけですよ。『混ぜるとみんな味が同じになっちゃうだろう』とおっしゃるんです。志村さんが言うには、混ぜないで飲むことで、ゆっくり味が変化していくんだよ、と。氷が溶けて味が変化していくことで、一つのグラスの中でも変化していく、味のグラデーションを楽しみたいと。なるほどと思ったのと同時に、この人は、本当に酒に対してスケベだなと感じました。たった一杯の焼酎の水割りでも、変化していくことを見逃さずちゃんと味わい尽くそうという気持ちがすごいなと。僕は、今までそういった気分でお酒を飲んでいなかったなと気付かされました」と思い出を回顧。