ロッテがまさかの落球サヨナラ負けで「逆転優勝狙いか」「CS出場権死守か」の”剣が峰”に
報道によると井口監督は「ここのところ守りにミスが多い。プレッシャーの中で出てくるとは思うが」と言葉を絞り出したという。 首位のソフトバンクは11-2で日ハムを下して今季初の9連勝。優勝へのスパートをかけてロッテとのゲーム差は6.5に広がった。早ければ今日21日にもマジック「8」が点灯する。一方、3位の楽天がオリックスと引き分けたことで西武が同率3位タイに浮上。ロッテとのゲーム差は「5」となり上より下との差が詰まってきたのだ。 直接対決を6試合残すソフトバンクとの優勝争いか、それともCS出場権を手にするため2位を死守すべきなのか、今ロッテはチーム方針を定めるべき剣が峰に立たされている。 楽天、巨人、西武で“参謀”を務めた新潟アルビレックスの強化アドバイザー兼総合コーチの橋上秀樹氏は、「CS争いにシフトチェンジすべき」という意見だ。 「私がヘッドコーチなら監督に無理せずCS狙いに切り替えることを提言するでしょう。何もそういった方針を選手に言う必要はなく、1試合、1試合を戦う中で、当然、優勝は狙うのですが、ソフトバンクとの相性を考えると、CSでリベンジを果たして日本シリーズ出場権を得る可能性の方が高い。西武も追い上げてきたが、ソフトバンクにしてみれば、楽天、西武よりもロッテがCSの相手になる方が嫌なはずです」 橋上氏が指摘するように今季のロッテとソフトバンクの対戦成績はロッテの11勝6敗1分け。2年続けてロッテはソフトバンクをカモにしているのだ。まだ6戦の直接対決を残していることを考えると、机上論では、6ゲーム差縮まる可能性があるが、CS出場権を死守して11月14日からのCSでの直接対決に向けて体制を整えた方がベストなのかもしれない。 では、CS死守の戦い方とはどういうものか。
「ロッテに勢いがなくなった理由は、新型コロナの集団感染者が出た影響による大量の選手交代です。特に打線が大きな影響を受けましたね。藤原という、こういうチャンスがなければ、まだ今年は戦力としてクローズアップされることのなかった嬉しい誤算もありましたが、DHの人材不足、ショートの藤岡の欠場などが響き、明らかに戦力がダウンし、残った打者もプレッシャーからか調子を崩すという悪循環が生まれました。ようやくメンバーが戻ってきましたが、すぐに結果につながるものではありません」と橋上氏。 新型コロナの感染、濃厚接触者指定などで4日の試合を最後に主力が13人も離脱。その間の10試合は4勝6敗と負け越した。ようやく離脱組が復帰し、この日の西武戦からセンターの荻野、ショートの藤岡がスタメン復帰してセンターラインが固まったが、藤岡は2回に2つのエラーを犯すなどまだゲーム勘が戻っていない。 橋上氏は、「まずは離脱していた選手各自のゲーム勘を戻して状態を立て直すこと。それには我慢起用が必要です。そして、もうひとつは、投手陣にスクランブルをかけず無理をさせないことです。本来ならば、優勝を狙う残り17試合というのは、先発、中継ぎ共にスクランブルで、いい投手から注ぎ込んでいく時期で、特に6試合あるソフトバンク戦にはローテーを移動して、いい投手をぶつけたいのでしょうが、それをせず、逆にソフトバンクの後のカードに影響が出ないようにすることが2位をキープする上で重要になってきます」と提言した。 27日からソフトバンク3連戦があるが、その後の30日からのカードが楽天戦。ここで確実にCSライバルの楽天を叩いておくことが重要なポイントになるだろう。また残り3試合ある西武戦もCS出場権死守のためには負けられない試合。ロッテは今日21日の先発に元中日、メジャーで移籍2試合目となるチェン・ウエインを立てる。