キーワードは「闘志」…なぜロッテは新型コロナショック脱出の価値ある1勝を手にすることができたのか?
新型コロナウイルス感染者を集団で出し大幅な戦力ダウンを強いられたロッテが7日、ZOZOマリンで行われたオリックス戦に4-1で快勝、首位のソフトバンクが西武に惜敗したことで1ゲーム差に迫った。この日は、濃厚接触者として岡大海が追加特定され、離脱者は計13人に増えた。非常事態が続くロッテにとって意義ある1勝になった。
井上が先制3ラン「ここしかない」
野球の神様は彼らの「闘志」を見ていたのか。 4-1で迎えた9回一死満塁の絶体絶命のピンチに雨のZOZOマリンを静寂という名の悲鳴が包む。守護神、益田がカウント1-1からオリックスで売り出し中の代打・大下へ投じたアウトコースの変化球を引っ張られた。打球はレフト線を襲う。だが、わずかにボール一個分…ファウルとなった。益田は落ち着いていた。フルカウントから、パワーシンカーでスイングアウト。二死にして、この日、2安打のスイッチヒッターの佐野は、奇策で右打席に入り、逆方向を狙ってきたが、セカンドゴロに打ち取りゲームセット。 マウンド上でできた勝利の輪は、歓喜というより、むしろ安堵の輪だった。新型コロナ禍で22人が入れ替わる非常事態が起きて2試合目。この状況で負けが重なると危機感が増す。コロナショック脱出とまでは言えないが、意義ある1勝である。 井口監督もホッとした表情を浮かべた。 「今日に関して言えば打つべき人がしっかりと打ってくれた」 オリックス先発のアルバースの立ち上がりにつけこんだ。二死一塁から安田の打球はショートゴロ。だが、安達が判断ミスをして二塁へバックトス、マーティンのスタートがよかったわけではないがオールセーフの内野安打になったのだ。一塁送球ならチェンジだった。こういう隙を見逃さないのが今季の井口野球である。 続く5番の井上がアウトコースへの難しいツーシームをライトスタンドに放り込んだ。8月21日のソフトバンク戦以来、37試合ぶりの13号3ラン。 「今苦しい状況が続いているなかで、ここしかないという気持ちで打席に入った」という。