気候変動対策「1.5℃目標」への対策が不十分な場合の被害・損失は、日本でもすでに出始めた
■熱中症に加え、喘息、川崎病のリスクも上昇する
不十分な気候対策は、私たちの健康リスクを高めることになる。 今年5月から9月の熱中症による救急搬送人員は、総務省統計によると9万7578人と、調査開始以来、過去最高となった。 この数値は、2022年の同時期が7万1029人、2023年の同時期が9万1467人と、過去3年間で年々上昇傾向にある。 また東京科学大学は12月17日、2011年から2019年の喘息による入院データを解析し、暑さにさらされることで、喘息による入院リスクが高丸との見解を示した。また、特に14歳以下の子どもにおいて、その影響が顕著であることも明らかにした。 東京科学大学は11月には、暑さによって子どもの川崎病リスクが高まることも発表した。川崎病は、先進国で最も多い子どもの後天性心疾患であり、日本はその罹患率が世界一だと報告されている。 川崎病の原因はまだ完全に解明されていないものの、2011年から2022年までの入院データの解析で、子どもが暑さにさらされることと川崎病のリスクとが関連していることが示された。