「美しくて、楽しい文房具」を有名バイヤーが選出。選ぶのも書くのも楽しすぎる“インクの世界”
デジタル機器の普及で、文字を書く機会は格段に減ったが、それだけにここぞというときは好きなインクと好きなペンできちんと想いを届けたい……そんな背景もあってインクペンとインクの人気が高まっています。 28万人以上がチャンネル登録する人気YouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」で文房具を熱く語り、ファンも多い有隣堂の文房具バイヤー・岡﨑弘子さんとチャンネルのMCであるミミズクのパペット、R.B.ブッコローに定番から香り付き、オリジナルなど素敵なインクを紹介してもらいました。 (本稿はYouTube「有隣堂しか知らない世界」と書籍『有隣堂名物バイヤー岡﨑弘子の愛すべき文房具の世界』の内容を抜粋、一部編集しています)
いろいろな種類から選べるのもインクの楽しさの一つ
ブッコロー:岡﨑さんってインク好きですよね。 岡﨑:好きなんですよ。 ブッコロー:インクって、ガラスペンにつけたり万年筆に入れて使っていくものですよね。「インクなんて買わなくても、ボールペン買えばインクは中に入っているものだし」と思うと、なかなか一歩踏み出せないんですよね。 岡﨑:想いを込めて書きたいときに、いろんなインクから選べる楽しさがあるので、どんどんほしくなっちゃうんですよ。まずはペリカンのロイヤルブルー。これは皆さんよく使います。 ブッコロー:ド定番。王道中の王道ですよね。(書いてみて)ちょっと薄めの紺って感じですかね。 岡﨑:陰影がハッキリするので、お客様のお試し書き用にも使っています。 ブッコロー:じゃあインクオブインクだ。
インク好きが選ぶ「本当にきれい」な色は?
ブッコロー:ボールペンとかサインペンじゃありえないくらい「本当にきれい」って色はありますか? 岡﨑:これ。 ブッコロー:ファーバーカステルのターコイズじゃないですか。六角形の鉛筆を世界で初めて作ったと言われるドイツのファーバーカステルですね。 岡﨑:ある方からいただいてテンション上がっちゃったんです。 ブッコロー:そうですよね。1個4000円ぐらいしますものね。 岡﨑:よくご存じですね。すごくきれいですよ。 ブッコロー:こんなきれいな色をプレゼントする人って、相当心もきれいで素敵な方なじゃないですか。 岡﨑:(小さな声で)ブッコローですね。 ブッコロー:アッ……私があげたやつでしたっけ……? 岡﨑:そうですね。 ブッコロー:やだなー! 忘れちゃってた。 岡﨑:これを選ぶってことは、もともとインクがお好きなんですか? ブッコロー:いやいや違うんですよ。岡﨑さんがインク好きだから、インクあげときゃ喜ぶかなーと思って。 岡﨑:選ぶ楽しさってどうでした? ブッコロー:選んでいるときは、悔しいけど楽しかったですよ。