【ABC特集】だし巻き1本450円なのに、だし巻き付き弁当は550円・・・どういうこと? 京都の”人情だし巻き屋さん”に密着
スナックで出会った2人
夫の健一さんは20歳のころ、昼は家具職人の見習い、夜はスナックでアルバイトをしていて、そのスナックで、妻の真奈美さんと出会いました。 (記者)「はじめて会った時、健一さんはどんな印象でした?」 (真奈美さん)「真面目な青年。律儀そうな、水商売っぽくない人って感じかな」 2人は1年後に結婚。すぐに、長男・良さんが生まれました。 真奈美さんの和食と洋食で修業した経験を活かし、結婚して5年後に夫婦ふたりで居酒屋さんをはじめました。その時、看板メニューだった「だし巻き」をもっとみんなに食べてもらいたい!という思いで、15年前にだし巻き専門店「柴半」を開業したのです。
仕込みは健一さんが夜中からスタート
午後1時半にお弁当の販売は終了。すると健一さんは一旦帰宅。その理由は「寝るため」。真奈美さんはその後もだし巻きを売るため、ひとり店番です。
午後7時に閉店。それから3時間後の午後10時、健一さんがお店に戻ってきました。健一さんは、この時間から朝10時まで1人で、だし巻きとお弁当の仕込みをするんです。 だし巻きに使う卵は「平飼いの有精卵」。 (健一さん)「これ、去年2回 値上がりしたんやけど。もうほんまに高くなってきてるんでね。15年前は1ケース(150個)3000円とかで買えたんですよ。いまは6000円で買えないからね」 しかし、味の決め手になるので使い続けているそうです。 溶いた卵に半分凍らせたカツオ昆布だしをたっぷり加えます。凍らせているのは、卵の鮮度を保つためだそうです。できあがった生地はすぐには使いません。2日ほど寝かせます。
だし巻き用のフライパンは1つだけ。1本ずつていねいに焼いていきます。試しに単品用のだし巻きと弁当用のだし巻きを比べてみましたが、違いはほぼわかりません。 だし巻きができたらお弁当のおかず作り。おかずは去年まで1種類でしたが、今年から3~4種類つくることにしたそうです。 (健一さん)「『この間のあれ、おいしかったわ』と言ってくれはるとうれしいんです」