【ABC特集】輪島朝市の火災原因? 地震の後に起きる「電気火災」を防ぐには 対策に「感震ブレーカー」 命を守る防災用品を紹介
1日から始まった春の火災予防運動。空気が乾燥し、風の強いこの季節は火災が起きやすくなっています。1月に起きた能登半島地震では、地震後に起きた大規模火災が注目されました。火事で命を失わないためにも、「備え」が重要です。注目の防災用品を取材しました。 能登半島地震で発生した、石川県輪島市の大規模火災。原因は何だったのでしょうか? (消防庁消防研究センター 細川直史研究統括官) 「屋内配線等に溶けた痕跡が認められることから、地震の影響などで何らかの理由で電気に起因した火災の可能性が考えられる」 2月15日、総務省消防庁は屋内の電気配線が地震で傷ついたことで出火した可能性があるとする調査結果を公表しました。
電気コードの断線や電気機器からの出火によって起きる「電気火災」。実は、阪神淡路大震災や東日本大震災で発生した火災の約6割が「電気火災」でした。南海トラフ地震が起こった場合も、「電気火災」で多くの犠牲者が出ることが懸念されています。
これは、停電から電気が復旧することで起きる火災の実験映像です。 地震の揺れで物が散乱した部屋で、停電から復旧すると・・・スイッチが入ったままだった電気ストーブに通電。しばらくすると、ストーブと接触した衣類が燃え、あっという間に大きな炎になりました。
「電気火災」を防ぐ「感震ブレーカー」とは? 国が2014年から設置推奨
それでは、この「電気火災」をどう防ぐのか。対策のひとつが「感震ブレーカー」の設置です。 「感震ブレーカー」とは、いったい何でしょうか? 設置を進めている、大阪府都市整備推進センターを訪ねました。 (まちづくり支援室 大宅宏之室長) 「これが感震ブレーカーと言いまして、(大きな)地震が起きたときにまずブレーカーを切る、という機械です」
「おもり玉式」は、地震が起きると赤い玉が落下してブレーカーを切る仕組みです。バネが作動するものも含め、簡易タイプの費用は2千~4千円です。 他にも、アース付きのコンセントに差し込むタイプ(費用5千~2万円)、電気工事が必要ですが、センサーが揺れを感知して電気を遮断する「分電盤タイプ」(費用約5万~8万円)など、種類も様々です。 国は、感震ブレーカーが「電気火災の対策に効果的」だとして、2014年から設置を推奨。 大阪府都市整備推進センターでは、府内の「火事が燃え広がる危険性が高い密集市街地」を対象に、感震ブレーカーの設置に助成しています。 (まちづくり支援室 大宅宏之室長) 「地域防災力向上のために、自分の家から火災を起こさないというところも1つなので、効果的なこととして、地震時にブレーカーを落としていただく、自動的に落とすという機械の導入を進めていきたい」