松田聖子の“壮絶な学び直し”が、「私たちに教えてくれたこと」
人気連載「齋藤薫の美容自身 STAGE2」。今月のテーマは「松田聖子の“壮絶な学び直し”が、私たちに教えてくれたこと」。 〈画像〉松田聖子の学び直しから「見えた気づき」
小倉優子の大学受験は感動的ですらあった
“学び直し”が、ある種のブームとなっている。言うまでもなく、一度社会に出た人が、仕事をしながら大学に通って勉強すること。そこにはハッキリ2つのパターンがあり、一つは今の仕事に必要だから。もう一つが、これまでの自分を更新するように新しい人生を模索するため。 じゃあ、芸能人が仕事をしながら大学に通うのは、どういう意味があるのか。ニュースワイド的な番組のMCをする芸人が大学に通うのはわかりやすいが、元アイドルなどが学び直すのは一体なぜ? もちろん、いくつになろうと、どんな状況であろうと、学びたいとの思いが自然に湧き上がるのは手放しによいこと。でも物事をわざわざ斜めから見ようとする世間の目からすると、やっぱりちょっと突っ込みたくなる。営業の一環なのではないかと。 いやそういう意味で、実に率直にその理由を明かしたのが40代を前に番組の企画で大学受験に挑んだ小倉優子さんだった。「この仕事は、来月あるかわからない。おまけにシングルだから、そこに危機感もあった。そこで何らか、ほかの仕事につながればと。また、子どもの勉強を全然教えられなくて、自分をふがいなく思い……」と。「しかも高校生の時にデビュー、きちんと勉強をしてこなかったから、自分には教養がないと、ずっとコンプレックスだった」とも話したのだ。知識を深めて視野を広げることで、仕事の幅も自分の可能性も広げられるのでは?と考えたというのである。 最初は批判もあったのだろう。人生かかってる受験生にとっては、番組の企画で受験されてはたまらない。しかし第一志望の早稲田大学以下、5つも6つもの大学を受けて白百合女子大学に合格、めげずに最後までやり切ったことに結構な感動が集まった。本気だったのだと。若い受験生とはもうまったく違う理由で、人生かけて切実に勉強したいのだという思いが伝わってきて、その一生懸命さにちょっと胸が熱くなったほど。勉強へのコンプレックスがあったことも、それを公の場で語ることも含めて素晴らしいと思ったもの。純粋な向学心って、実はかくも尊いものだったのだと、今さらながら気づかされたりした。