松田聖子の“壮絶な学び直し”が、「私たちに教えてくれたこと」
そして、最近になって判明したのが、松田聖子、62歳での大学卒業。なんと中央大学法学部通信教育課程をストレートの4年で卒業したというのである。しかもそれは4年間、完全に伏せられており、教授との面接などにも変装して出かけ、卒業となって初めて公表されたのだ。まずそこに、本気を感じた。 それこそ色眼鏡で見るなら“芸能人の学び直し”は、卒業することよりも大学に入ろうとする心意気や、入るまでの苦労、通っている姿をほのめかすことが重要なはずで、そのどれをもアピールできないなら意味がないのでは?と思うところ、その人の学び直しはアピール性がまったくなく、箔をつけるためでもなかったことが、二重に世間を驚かせた。そもそもアピールしたいなら、通信制は選ばないはず。そこにもある覚悟が見てとれた。 ちなみに通信教育といっても、有名大学の、それも法学部となると想像以上に過酷らしく、卒業に必要な124単位を取るためには度重なるレポート提出、度々行われるテストも、通すためでなく落とすために行われ、4年で卒業できる人は1割に満たないという。それをやってのけたのは、さらなる驚きだ。 じゃあそれこそなぜ?と思うわけだが、聖子さんの場合も、高校生の時に芸能界入りしており、大学進学できなかったことがずっと心残りであったというのである。 それにしても法学部という一番ハードそうな学部をなぜ選んだか? 本人は法律を学ぶのが夢だったということらしいが、いわゆる司法試験を受けるために受講する人も多く、尚更ハードルが高い。ひょっとしてこれから司法試験を受けるなどということがあったりするのだろうか。いやそれも不可能ではない状況にあるわけで、どこから見ても、あっぱれな行動だったのは確かなのだ。 撮影/戸田嘉昭 スタイリング/細田宏美 構成/寺田奈巳 Edited by 中田 優子
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