どうして雷は光るの?雷ってそもそも何??意外と知らない天気の豆知識を気象予報士が解説
梅雨や台風の大雨にともなう雷や、晴れた日の夕方に突然雨とともに発生する雷。これからの時期は、全国的に雷に遭遇することが増えていきますが、そういえば雷って、どうして光るのでしょうか。また、雷はなぜ危険なのでしょうか。子どもに聞かれたら、答えられますか…? 【画像】どうして雷は光るの?雷ってそもそも何??意外と知らない天気の豆知識を気象予報士が解説 今回は、気象予報士・防災士として活躍する植松愛実さんに、雷の意外な正体を教えてもらいます。
雷の正体は意外と身近なものだった!
雷の"もと"となるのは、「静電気」です。静電気と言えば、筆者も子どもの頃によく、頭にプラスチックの下敷きをこすりつけて発生した静電気で髪の毛を浮かせて遊んでいました。静電気は乾燥した冬に着がえるときにもバチッ!となって困りものですが、このとき暗い部屋で着がえると、バチッ!という瞬間に小さく光るのがわかります。雷の光は言わば、この光の大きいバージョンなのです。 髪の毛とプラスチック下敷き、あるいは衣服と衣服など、モノとモノとがこすれあって発生する静電気ですが、雷のもとになる静電気はいったい何がこすれあっているのでしょうか。
積乱雲のなかは激しい乱気流!
雷は雲のなかで発生します。雲は小さな水や氷の粒が集まったものですが、このうち雷の発生に関わっているのが、氷の粒です。雷が発生するような雲というのは、背が高くモクモクと発達した積乱雲。こういった積乱雲の内部では、激しい乱気流がうずまいています。 氷の粒は気流に乗って積乱雲のなかで何度も何度もぶつかりあいながら、ひたすら静電気を発生させ続けます。1回の衝突で生じる静電気はわずかでも、大量の氷の粒がくりかえし静電気を発生させることで、しだいに積乱雲の内部にどんどん静電気が溜まっていきます。 そして…、これ以上溜めきれない!という量に達したところで、たまった静電気がまとめて地上に落ちるのが「落雷」なのです。
巨大な「電極」で1億ボルト!
理科の実験だとプラスとマイナスの小さな電極の間で放電を発生させますが、自然界の雷は積乱雲と大地という巨大な電極間で放電がされることになります。この巨大な電極間の電圧は、なんと数千ボルトから1億ボルトになることも。一般的な家庭で使われる電圧は100ボルトですから、いかにすさまじい電圧かがわかりますね。 こんなに大きな電圧が人を直撃したら、命に危険がおよぶのは言うまでもありません。これからの時期は大雨への備えももちろん大切ですが、同時に雷にも気をつける必要があります。