800M日本記録保持者の久保凛が3000Mで日本高校歴代8位の8分59秒74 「いいリズムで走れた」
陸上女子800メートル日本記録(1分59秒93)保持者の久保凛(東大阪大敬愛高2年)が9日、横浜市の日体大健志台陸上競技場で行われた日体大長距離競技会兼NITTAIDAI Challenge Gamesの3000メートルに出場し、日本高校歴代8位の8分59秒74で日本人トップの5位になった。昨年11月の同競技会でマークした9分17秒78の自己ベスト記録を約18秒も大幅に更新した。 800メートル日本記録のスピードを生かし、久保は、3000メートルでも能力あふれる走りを見せた。計測機器の不調でスタートが2度、やり直しとなり、10分遅れのスタートとなったが、大幅に自己ベスト記録を更新した。 「(スタートのやり直しにも)集中して走れました。1年ぶりの3000メートルなので自己ベスト記録は更新し、9分を切ることを意識していました」と久保は爽やかな笑顔を見せて話した。 最初の1000メートルをほぼ3分ちょうど、1500メートルを約4分30秒で通過。その後、一度、ペースが落ちたが、残り400メートルを約68秒に再びペースを上げてゴールした。「(外国人選手に)引っ張ってもらって、いいリズムで走れて、ラストも切り替えることができました」とレースを振り返った。 167センチの長身を生かしたスケールの大きな走りが持ち味で800メートルを専門種目としている。昨年、1年ながら全国高校総体で優勝。今年6月の日本選手権では高校2年ながら初優勝を果たした。さらに7月15日の奈良県長距離強化記録会の女子800メートルで1分59秒93の日本新記録をマーク。杉森美保が05年にマークした2分0秒45の日本記録を19年ぶりに更新し、日本女子初の1分台で走破した。 久保は中学時代からトラックのオフシーズンには積極的に駅伝に参加しており、和歌山・潮岬中時代には和歌山県代表として2度、全国都道府県対抗女子駅伝に出場し、3年時の2023年大会では3区(3キロ)で9分2秒の区間新記録をマークしたドルーリー朱瑛里(当時、岡山・津山鶴山中3年、現津山高2年)に次いで9分21秒で区間2位と好走した。 1週間前の2日に行われた全国高校女子駅伝大阪府大会では最長区間の1区(6キロ)に出場し、薫英女学院の塚本夕藍(3年)に次ぐ19分42秒で区間2位。チームも大阪薫英女学院に次ぎ、2位だった。24日の近畿大会で各府県大会の優勝校を除いた高校でトップになれば、12月の全国高校女子駅伝に出場できる。「次は何区を走るか分かりませんが、チームにいい流れをもたらす走りをして全国大会に出たいです」と前向きに話した。 トラックオフシーズンには駅伝などを走ることで持久力アップを図り、来年の東京世界陸上の出場を目指している。女子800メートルの参加標準記録は1分59秒00。自己ベスト記録から1秒以内で、十分に狙える力を持つ。 サッカー日本代表のMF久保建英(23)=スペイン・レアル・ソシエダ=のいとことして知られるが、久保凛自身が陸上競技中距離のトップランナーとしての地位を確立している。
報知新聞社