アメフト神戸大 残り2分の逆転劇 「ぶっつけ」のQB榮が集大成のパス決めた
◇関西学生アメリカンフットボール1部リーグ 最終節 神戸大15ー14近大(2024年11月9日 万博記念競技場) あきらめない「神戸大スピリット」は最後の最後まで健在だった。7ー14とリードされて迎えた第4Q終盤。自陣37ヤードからのシリーズで、しぶとく、着実にドライブを進めていく。最後はRB長尾涼平(4年)がエンドゾーンに飛び込んで1点差。TFPの2点コンバージョンを狙うこと、そしてエースQB榮大志(4年)にプレーを託すことに迷いはなかった。 「(あの場面は)しびれました。(ターゲットの)山川とは風呂場とかで一緒に話をしたりする仲なので、信頼してパスを投げ込むだけでした」 クライマックスを振り返った司令塔は、シーズン終盤に負傷のため戦列を離れていた。試合前日まで出場する予定はなく、直前にドクターの許可が下りて、数プレー限定でフィールドへ。全く練習できず、試合中のキャッチボールだけで勝負を決めるシーンに向かった。 果たして背番号1は、WR山川峻(4年)へパスを通す。ついに15ー14。3敗を死守するホイッスルを聞いたのは、少し後だった。 「あのパスはスカウティング通りなら、必ず決まると思っていた。2点の選択? うちは勝たないとチャンスが残らないので…」 矢野川源監督は選手、そしてスタッフへの厚い信頼を口にした。3敗キープなら、他チームの結果次第で抽選に残れる瀬戸際。第2試合で関大が勝ち、その瞬間、全国への道は絶たれたものの、勝利で示した意地は来季につながる、きっと…。