キントーンに生成AI 社内データも学習可能 サイボウズ、来年1月に試用版提供へ
ソフトウエア開発のサイボウズは7日、主力のクラウド型業務アプリ開発サービス「kintone(キントーン)」に生成AI(人工知能)を追加した新機能「kintone AIアシスタント(仮称)」のβ版を来年1月に提供すると発表した。同日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催した展示イベント「Cybozu Days 2024」で青野慶久社長が明らかにした。 【関連写真】kintone AIアシスタント(仮称)の画面イメージ AIアシスタントは、キントーンの検索機能と生成AIの検索拡張技術(RAG)を組み合わせ、アプリに蓄積されたデータを検索する機能を搭載。これまでの検索機能とは異なり、自然言語による検索などAIが文章の意味を解釈して、キントーンに蓄積されたデータを活用する。 米オープンAIのChatGPTなど汎用の生成AIは、学習済みのデータから情報を集め回答を生成するため、社内データなど学習していない情報から回答を生成できない。それに対しRAGは、データソースと生成モデルを組み合わせて回答を作り出すことができる。社内のデータベースをデータソースに設定すれば、自分たちの業務に必要なデータを回答してくれる。 キントーン内のチャットで質問すると、生成AIが内容を理解してキーワードを取り出し、そこからデータソースとして設定したキントーン内のアプリを検索。アプリから必要な情報を抽出して回答する仕組みだ。検索結果にはアクセス権が反映され、権限のないユーザーには非公開となる。 例えば問い合わせ対応では、FAQ(よくある質問)アプリなどのデータを引用して適切な回答を導き出し、新しくチームに入ったメンバーの業務知識習得を支援。営業業務では、案件管理アプリや商談記録アプリに蓄積されている他メンバーの案件内容や過去の商談記録から、ノウハウを得られるようになるという。 キントーン利用企業を対象に7日から11月末までβ版のユーザーを募集した上で、2025年1月に提供を予定。実際の運用から得られたフィードバックを活かし、AI機能の改善・開発を進める方針だ。 青野社長は「キントーンと生成AIを組み合わせることで、大量・多様な情報の中から知りたい情報を迅速に探すことや、蓄積したデータを業務のノウハウとして有効活用することができるようになる」と力を込めた。
電波新聞社 報道本部