F1の前CEOチェイス・キャリーがリバティ・メディアの取締役に就任。同社はスポーツへの投資を強化
元F1のCEOであるチェイス・キャリーが、F1の商業権保有者であるリバティ・メディアの取締役に任命された。同社は世界的なスポーツにおける次の成長段階に向けて態勢を整えている。 【写真】2019年F1日本GP ファンにサインをするチェイス・キャリー 2017年にリバティ・メディアによるF1買収で重要な役割を果たし、その後2021年までCEOとしてF1の変革を主導したキャリーは、重要な節目にリバティに復帰する。同社は、今年末のグレッグ・マッフェイCEOの退任、MotoGPの買収、F1のような価値の高いスポーツ資産への注力合理化に向けたリバティ・ライブ・グループのスピンオフなど、大規模な変化に備えているところだ。 リバティ・メディア会長のジョン・マローンは、F1買収とその後の再興を含むこれまでの同社の成功に、キャリーが幅広い専門知識とともに重要な貢献を果たしたと称賛した。 「チェイスは、2008年の『DIRECTV』への投資から2017年のリバティによるF1買収まで、長年にわたりリバティの優れたパートナーであり、CEOとしての彼は、買収を確実に行う上で重要な役割を果たした」とマローンは述べた。 「彼はF1で成功する基盤を築くにあたって大きな助けとなり、それによってビジネスは大きく成長した」 「メディア、エンターテインメント、スポーツ、ビジネスなど、多岐にわたるチェイスの知見と専門知識は、傘下各社が成長と価値創造の次の段階に進む上で、取締役会にとって貴重なものとなるだろう」 キャリーのF1のCEOとしての在任期間は、チームとのコンコルド協定の再交渉の成功、財政的持続可能性を確保するためのコスト上限の導入、マイアミやラスベガスのグランプリのような新しく収益性の高いイベントによるF1カレンダーの全面的な見直しなど、重要な節目を含んでいる。彼のリーダーシップにより、このシリーズは世界中の視聴者数の大幅な成長を達成したが、とりわけアメリカではそれが顕著だった。 特にリバティ・メディアが高額なスポーツ投資への注力を強化しているなか、キャリーは発表に続くコメントにおいて、同社にふたたび加わることへの熱意を表した。 「リバティは、私がよく知っている高品質で高級なスポーツ資産を中心に、より焦点を絞った資産基盤を備え、その歴史ある進化のなかでエキサイティングな段階を迎えている」と、今週末アブダビのパドックに姿を見せたキャリーは語った。 「ジョン(・マローン)、リバティ経営陣、そしてポートフォリオ企業のリーダーシップチームと協力し、ディレクターとしてリバティに貢献できることを楽しみにしている」 キャリーは復帰後、リバティ取締役会の執行委員会に加わり、リバティのスポーツおよびエンターテインメント資産ポートフォリオに関する戦略的意志決定に貢献することになる。彼はF1の日常業務には関与しないが、その豊富な経験は、同シリーズの現CEOであるステファノ・ドメニカリや、リバティ・メディアの世界的なモータースポーツ、特にMotoGPへのより広範な進出に貴重なアドバイスをもたらすだろう。 キャリーの任命は、リバティ・メディアのスポーツ資産に対する長期投資へのコミットメントを強調するものだ。同社は、F1運営における専門知識とMotoGPを融合し、一流のモータースポーツ資産による多様なポートフォリオを構築する準備を進めている。リバティはマッフェイ退任後の経営陣の交代に備え、リバティ・ライブ・グループのスピンオフを通じて事業の焦点を絞り込んでいるが、スポーツメディアとエンターテインメントに対するキャリーの深い理解は、同社の成長戦略を導く上で重要な役割を果たすことが期待される。 [オートスポーツweb 2024年12月12日]