何が7回「矢野vs原」采配勝負の明暗を分けたのか…オーダー大幅変更の阪神が巨人との首位攻防戦で逆転勝利
「一番の問題は佐藤の使い方。佐藤、大山といった選手は代打では力を出せない。佐藤は、たとえ三振しても4打席で結果を出してくれればいい選手。相手バッテリーからすれば、打線に並んで嫌なのは、中野、島田、近本と足のある3人ではなく、佐藤、大山、サンズが打線にいることなのだ。大山も、4打席立ったからこその結果。悪いときは顔から離れてバットが出てくるが、この日は、顔の近くをバットが通っていてバットの軌道が修正されつつあり復調の兆しが見えた。佐藤を復活させるには、目をつぶって4打席立たせることだろう。また近本の3番もいただけない。3番のバッティングをしようとして持ち味である積極性がなくなっていた。この日は、はまったが、問題含みの打線変更だと思う」 佐藤は6回、代打糸井のタイムリー二塁打で1点を返し、なおも無死二塁から代打出場したが、インハイのストレートでカウントを整えられ、最後はボールになるフォークを振らされるというお決まりのパターンで三振した。これで28打席ノーヒット。高代氏が指摘するように代打で力を発揮できるタイプではない。こんな起用をしていれば復調のきっかけなどつかめない。大山は28日の広島戦、31日の中日戦と2試合スタメンから外されたが、ここ2試合、6番、7番でスタメン出場することで調子を取り戻しつつある。まだペナントレースは41試合もある。目先の1勝にとらわれず、大山、佐藤は、今こそ我慢起用することが必要かもしれない。 阪神は巨人との首位攻防戦の初戦を取った。 矢野監督は、テレビインタビューで「いい試合が、できました。(3連戦の頭の勝利は?)ジャイアンツ相手なんでね。特に大きいと思います」と、この1勝の意味を噛み締めていた。 高代氏も、こんな見方をしている。 「巨人は打たせてはいけないバッターに打たせて勝ちゲームを落とす最悪の展開。逆に阪神は、不振から脱出するきっかけになるような勢いのつく勝ち方をした。あとあと振り返ってみて、あの1勝が、と言えるような試合。優勝するための正念場で踏ん張る大きな先勝となった。阪神、巨人、ヤクルトの3強は、どこもまだ開幕時の阪神のような決定的な強さを整備できていない状況。そういう意味で、阪神の巨人との第2、第3戦の内容と結果が重要になってくるでしょう」 阪神の今日の先発は8月26日の横浜DeNA戦で安定感を見せたガンケル、そして巨人は、今季対阪神に4勝0敗、防御率1.08の戦績を誇る“虎キラー”の左腕、高橋優を立てる。ゲーム差はマイナス0.5ながら、わずか勝率2厘差で2位にいる阪神。勝てば首位奪回だ。