広島・矢野雅哉は全国区の人気選手に? 漂う“昭和感”、がむしゃらな姿勢に好感増す
今シーズン広島でブレイクした矢野雅哉は“昭和っぽい”雰囲気のあるプレイヤーだ。球界トップクラスの守備力と走力を誇り、泥臭くハツラツとプレーする。ファンから愛される要素が満載の男は、今後は球界の顔になる魅力を秘めている。 【写真】これもカープらしい! かつてマツダスタジアムで見れたユニークな光景がこちら 入団当初から話題となった“パンチパーマ”の矢野は大卒4年目の今シーズン大きな飛躍を果たした。レギュラーに定着して137試合に出場、打率.260、2本塁打、38打点、13盗塁をマーク。また、プロ入りから評価の高かった守備では遊撃手部門でゴールデングラブ賞を初受賞した。 「今季は打撃面での成長が大きかった。少し時間がかかったが、プロの投手のレベルに対応できるようになったことで結果も出始めた。守備と走塁に関しては当初から高いレベルにあったのでレギュラー奪取も驚かない。球界トップの遊撃手を目指して欲しい」(広島OB) 2020年に亜細亜大からドラフト6位で広島入団した矢野は「高校時代に遠投123mを投げて日本一になった」という強肩と俊足には定評があったが、打力に課題があった。広島入団時にはセカンドに菊池涼介、ショートに小園海斗というリーグ屈指の二遊間もおり、「レギュラー確保は相当高い壁」と思われていた。 「素直で前向き、どんな時も下を向かない性格はプロ向き。野球に対する情熱は人一倍強く、キャンプからシーズンを通して誰よりも練習している。そういう姿勢を知っているので、結果に繋がっていることを誰もが喜んでいる」(広島関係者) 矢野の台頭はチームのポジション問題も救った。今季は外国人選手が不調で三塁のポジションが定まらない中、小園をコンバートすることでチーム力を高いレベルで保つことができた。「(ベテラン菊池が引退した後)将来的には矢野と小園で球史に残る二遊間を形成して欲しい」(広島関係者)と明るい未来を感じさせる。 また今オフにはフジテレビ系スポーツ番組「すぽると!」内の企画「プロ野球100人分の1位」において、「守備部門」でトップの34票を集めた。選手間の投票で選ばれるだけに、13票で2位の吉川尚輝(巨人)、万波中正(日本ハム)に大差をつけて1位になったことは矢野にとって何よりの勲章だ。