広島・矢野雅哉は全国区の人気選手に? 漂う“昭和感”、がむしゃらな姿勢に好感増す
また、矢野の価値はグラウンド内だけにとどまらない。 「走攻守だけでなく声でも戦力になっている。点差関係なく、守備位置やベンチ内から常に大声を出し続けている。シーズン中に相手選手から『うるさい』とクレームがついたという話も聞く。声で相手にプレッシャーをかけるのも古くからの広島の武器で、しっかり引き継いでいるようだ」(広島OB) 他球団選手からのクレームの真偽は定かではないが、そういった話が出るほど試合中に声を出しているのは間違いない。試合中はスタンドまで声が聞こえてくるが、グラウンドにいれば相手チームにとって“圧”となるようなレベルに達している可能性もある。 「近年は侍ジャパンや合同トレーニングの影響で、球団の垣根を越えて仲が良く厳しい声は見かけなくなった。相手選手にプレッシャーをかけるほどの声を出す矢野のスタイルは、『昭和のようで時代錯誤』という人もいる。しかし勝負の世界、それくらいの緊張感はあっても良い」(広島関係者) 来季からは背番号「4」を背負うことも発表された。「小窪(哲也)さんがつけているという印象が強かった」と矢野は語るが、古くからのファンが思い出すのは昭和、平成のカープを支えた正田耕三氏だ。 「小さな体でアグレッシブなプレースタイルは正田氏を彷彿させる。『土にまみれて、戦え勇ましく……』という当時の応援歌は矢野にも当てはまる。ようやく先人を超えそうな逸材が現れて楽しみで仕方ない」(広島ファンの音楽雑誌編集者) 11月26日には3550万円増となる5300万円で契約更改(金額は推定)。「満足感はなくて、やりきった気持ちもあまり感じてなくて、来年スタメン出ることが大事」と、矢野は浮つくどころかレギュラーになったという思いすらなさそうだ。 「3連覇時代のタナ(田中広輔)・キク(菊池)・マル(丸佳浩/現巨人)のトリオを超える活躍を、小園と矢野には期待する。攻撃では塁に出て掻き回し、守備では二遊間を守り抜く。2人の活躍は広島が再び強くなるための大きな鍵になるはず」(広島OB)