【富士S回顧】停滞するマイル戦線を動かしたジュンブロッサム 父、母から受け継いだ晩成の血が開花
セリフォスの次走に注意
2着ソウルラッシュはジュンブロッサムより前で運び、ラスト33.3で一旦先頭の内容なら、納得の敗戦だ。最大目標はまだ手が届いていないマイルGⅠタイトルであり、休み明けとしてはちょっと走りすぎたぐらい。中3週の本番でもう一段ギアをあげられるか。そこにかかっている。 3着ロジリオンはNHKマイルC3着に続き、東京マイルで結果を残した。緩急がない流れを踏ん張る競馬に強く、相手なりに走れる長所をいかした。3歳、キャリア10戦目でこの競馬ができれば、未来は明るい。遅い流れの瞬発力勝負では分が悪いので、4着に敗れた関屋記念など相手が一段下がっても好走するとは限らない点は注意が必要だろう。ちょっと荷が重いかもと感じるレースで力を出すので、穴党は上手に付き合っていきたい一頭だ。 セリフォスは4着。2年前のマイルCS以来、勝ち星から見放された状況やソウルラッシュに5連敗中と、ここ1年で力が落ちてきた可能性を改めて感じた。向正面で少し下がったように、休み明けらしい面もあって、次こそ期待したくなるが慎重に取捨すべきではないか。直線で進路がなく、追い出しを待たされたなど言い訳をつくりやすい敗戦だが、額面通りには受けとれない。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。
勝木 淳