独り身でローンなども組んでおらず、お金のかかる趣味もありません。「退職金」や「年金」を頼りに、老後に向けて貯金しなくていいでしょうか?
結婚して配偶者や子どもがいると、自分の生活費のほかに家族の生活費も確保しなければならないでしょう。さらに自分がいなくなった後も生活に困らないよう、貯金や保険などを考えておく必要があります。 しかし、独身であれば養う家族もおらず、自分が生きていくために最低限必要なお金さえあれば大丈夫だと考えている人も少なくないでしょう。 本記事では、老後に必要なお金や、今後発生する可能性がある支出について解説します。本記事を参考にお金を十分に確保できているかどうか検討してください。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
生活設計について
公益財団法人生命保険文化センターが18~79歳の男女個人を対象に実施した「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」では次のような結果が出ています。 まず、具体的な将来の生活設計を立てているかという質問には、半数以上の方が「いいえ」と答えています。生活設計を立てられていない理由は「将来の見通しを立て難いから」「経済的余裕がないから」「将来より現在の生活が大切だから」という回答が多くみられました。 半数以上の方が具体的なことを考えていない現状ではありますが、一方で「はい」と答え、生活設計を立てている人は2016年より年々少しずつですが増加傾向にあるようです。年金が満足にもらえるのかどうかや、将来の不安などを理由に、老後の生活費を早い段階から確保する意識のある人が増えているともいえるでしょう。
老後に必要なお金
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると65歳以上の単身無職世帯の1ヶ月あたりの平均支出額は15万7673円です。消費の内訳は、食費や住居費、光熱費、などの消費支出、社会保険料などの非消費支出が含まれます。 一方、年金などの平均実収入は12万6905円です。支出額と比較すると、3万768円不足することが分かります。85歳まで生きると仮定すると、65歳からの20年で不足する額は738万4320円となり、この金額は貯金でまかなっていく必要があるでしょう。 しかし、これはあくまでも平均額であり、物価上昇や予期せぬ支出は考慮しない金額です。人生100年時代といわれていることもあり、85歳よりももっと生きる可能性もあるでしょう。そうなれば不足額も増加します。