SUPER GT第5戦(最終戦)プレビュー 真冬のシーズンラストレース タイトルはどのチームに!?
立冬からまもなく一ヶ月。朝晩はすっかり気温が下がり、寒さが身にしみるようになってきたが、そのなかでSUPER GTの今シーズン最後の戦いが鈴鹿サーキットで開催される。チャンピオンタイトルがかかる重要な一戦は、開幕戦以来のノーウェイトでの戦い。シーズン集大成のパフォーマンスを披露すべく、ドライバーたちが渾身の戦いを繰り広げる!
・例年とは異なる最終戦
2024 SUPER GT第5戦「SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL」として開催される今大会。全8戦で開催されるシリーズ戦の最終戦にもかかわらず、なぜ”第5戦”となっているのか。元はと言えば、8月31日、9月1日に開催される予定が、折しも台風10号接近による影響を受け、あいにく延期になったためだ。結果、厳しい残暑から一転、冬空の下での戦いが待ち受ける。ちなみに、SUPER GTでは、シリーズが始まった2005年以降、11月中に全イベントを終了しており、12月開催は初めてのこと。また、近年、最終戦の舞台はモビリティリゾートもてぎや富士スピードウェイだったが、今回は鈴鹿。2005年以来の開催となる。予測不能な決戦に向けて、各チームはどのような戦略をもって臨むのだろう。
12月の鈴鹿といえば、例年スーパーフォーミュラのオフシーズンテストが実施されるタイミング。日中、日差しに恵まれたとしても日照時間が短いため、確実に気温や路面温度が低いなかでのレース開催になる。また、晴れていても鈴鹿山脈から伊勢湾へ向けて”鈴鹿おろし”と呼ばれる強い北風が吹き抜けることがある。余談だが、体感的にはかなり寒さを感じやすいため、観戦には十分な防寒対策をお忘れなく。
開催が夏から冬へと時季が変わっただけでなく、レースフォーマット等も一部変更された。もともと350kmだったレース距離は、検討の結果300kmに。これは、日没や気温の低下を考慮してのこと。遅くとも午後3時半までに決勝を終えるべく、短縮に至ったようだ。また、タイヤの持ち込みセット数においては、安全性の確保から通常の4セットから5セットへ。一方、タイヤウォーマーの使用は見送られることになった。使用についてはチームからのリクエストも少なくなかったと聞くが、この件に関して、第6戦SUGOに開催されたGTA定例記者会見において、GTアソシエイションの坂東正明代表がチームによって所有の有無、所有していたとしてもその性能に違いが生じる可能性があることなどを挙げ、公平性を保つために使用を認めないとコメントしている。これを受け、低温度コンディションでのタイヤのウォームアップを考慮し、公式予選の各セッションは従来より5分間延長して実施されることになった。さらに、GT500クラスのタイヤが温まりにくいという観点から、通常は先に行なうGT300クラスに代わり、GT500クラスから各セッションをスタートさせる。Q1からQ2にかけて、徐々に気温および路面温度が下がっていく難しい条件下に見合うクルマを用意する必要があるため、タイヤの見極めをはじめ、エンジニアの腕もいつも以上に試されそうだ。