全米メディアは本塁打王争いで1本差に迫る大谷翔平の45号を「スランプだった二刀流スターにとって良い光景」と評価
ゲレーロJr.が3冠王獲得の可能性を残し、大谷が9試合ノーアーチだったため、MVP論争が再燃していたが、地元のロサンゼルスタイムズ紙は「エンゼルスのマドン監督から大谷がMVPの得票」との見出しを取り、その論争に終止符を打った。 「ゲレーロJr.が2004年に彼の父親が猛烈に打ったときのような道のりを猛進しているにもかかわらず、マドン監督は誰がリーグで最も切望される賞に値するかは『疑いの余地がない』と語った」と伝え、マドン監督のコメントを引用した。 「大谷がMVPだ。彼の一連の働きぶりすべてによるものだ。野手としてだけでなく、他のこと(投手)もやり遂げていることに関して、すべてを加味すれば誰も競うことはできない」 その上で「投手と打者としてオールスター戦に選ばれた大谷は二刀流の真のスターで、450フィート(約137メートル)の本塁打を打ち、3桁マイル(約160キロ)の速球に圧倒的なスプリットフィンガーの投球をミックスさせ、100年前のベーブ・ルース以来見られたことのなかった能力を併せ持ったダイナミックな選手だ」と大谷の比類ない才能を強調した。 そして、さらにマドン監督の「ブラディJr.(ゲレーロJr.)がやっていることは過去にもあったこと。ショウヘイが今やっていることは過去に一度もなかったことだ。ただ比類のないもの。1人の野球選手による最高の1年の1つ、野球史で最高の1年かもしれない」というコメントを付け加えた。 同紙は大谷とゲレーロJr.の成績も比較。 「ブルージェイズにはもう1人の40本塁打選手、マーカス・セミエンがおり、20本塁打を放っているテオスカー・ヘルナンデス、ボー・ビシェット、ランドル・グリチャック、ルルデス・グリエルJr.の4選手がいる。だが、エンゼルスは、トラウト、アンソニー・レンドン、ジャスティン・アプトンが故障しているため、最近2カ月の戦いでは、大谷の打順の後ろにフィル・ゴセリンを入れざるを得なかった。8月1日以降で、大谷へのストライクゾーンへの投球はわずか43.3%。これは4番目に少ない数字だ」と説明し、大谷が打者としてチームの恩恵を受けていないことを指摘した。 マドン監督は、「ゲレーロは我々の選手と違って、周りをいろいろな打者に囲まれている。大谷はほぼ1人でやってきている」と語ったという。 過去3冠王を獲得した選手が、1920年以来、12人出ているが、直近のデトロイトのミゲル・カブレラの2012年を含め、そのうち、7人がMVPを獲得していることを紹介。例外は1942年と1947年のテッド・ウィリアムズ、1934年のルー・ゲーリック、1933年のチャック・クライン、1922年のロジャース・ホーンスビーの4人だったことを伝えた上で、「大谷の打撃はいくつかの分野でゲレーロJr.の数字に達しないかもしれないが、彼は投球をしていない。そして、他の投手の誰もが、大谷が打席でやるようなことを夢見ることもなかった。マドン監督は、これらすべての事から大谷がMVPであるべきだと語った」と続けた。 そして記事はマドン監督の「一連の働きぶりを見れば、議論の余地はない」というコメントで締めくくり、大谷vsゲレーロJr.のMVP論争に終止符を打った。