何歳の結婚が多い? 「結婚年齢ランキング」の驚くべき実態
今回は厚生労働省の「人口動態調査」から、2023年の婚姻届の集計結果をもとに、初婚同士で結婚をした男女の年齢ランキングを紹介したい。 【ランキングを全部見る】男女別の結婚年齢ランキング 統計データによって婚姻の動態をみている研究者としては、結婚年齢に関する考えが強い思い込みに基づいている人々が多いと感じざるを得ない。 特に晩婚化という、単なる平均初婚年齢の上昇を表す数値を誤解して、結婚希望はあるものの、その時期をかなり先に設定している男女(特に男性)が多い。
前にも解説したことがあるが、平均という数字は、真ん中でも、普通でも、一番多い、でもない。大きな数字に引っ張られて変動する危険な数値なのである。そのことを痛感するランキング結果を見ていくことにしよう。 ■初婚同士で結婚した男性の年齢で多いのは? 男性は30歳を超えて相手探しをしてもまったく問題ない、という謎の自信をもっている男性が非常に多いように感じるが、これは大きな勘違いであることがランキングからわかるだろう。
30歳を過ぎてから結婚しようと考えている20代男性の意見をうかがうと、平均初婚年齢(2023年・31.1歳)を最頻値(最も件数が多い)年齢と誤解しているケースが非常に多い。 しかし実際は、ランキングのトップ5までを20代後半男性が占めており、27歳、26歳、28歳の順に僅差でトップ3となっている。この26歳から28歳までの男性で全体の26.4%を占めているため、初婚同士で結婚した男性の4人に1人以上が26歳から28歳の男性、ということになる。
次にトップ6から10までであるが、24歳から33歳までの男性が並んでおり、33歳までの男性で67.5%、約7割を占めている。男性であっても統計的な適齢期(結婚が多発する時期)は、最も多く結婚が発生している年齢ゾーンで7割を占める33歳(または34歳)までと考えた方がいいだろう。 また非常に興味深いのは、経済的にみて絶対的に有利な立場にありそうな32歳(9位)、33歳(10位)の男性よりも、大卒であれば新卒1~2年目、高卒であれば6年目の24歳(8位)の男性の結婚人数の方が多い、という事実である。筆者は長く、結婚は年収よりも年齢が最も大きな影響を与えることを伝えてきたが、それを示すような結果ともいえるだろう。