「Z会エクタス」「最難関女子中学受験専門館」「SPICA」は入塾のハードルが高い? 大手塾が展開する「御三家特化型」エリート塾の実態は
早稲田アカデミーが運営する「SPICA」は思考力対策を重視
最後に紹介するのは早稲田アカデミーが運営するSPICAだ。自由が丘のエステサロンを居抜きでリニューアルした校舎で、塾とは思えないラグジュアリーな空間だ。最難関校対策のために必要な思考力を伸ばすことに特化した塾である。4教科も取れるが、単科でも受講できるため、他塾と併用する生徒も多い。 たとえば、4年生と5年生が対象の「無学年講座」は、学年に関係なく授業を受けられる。1授業180分、月に3回、曜日も選べるので他の塾の生徒も通いやすい。実際、思考力をより鍛えるために通っている他塾生も多い。6年生では「筑駒・開成 算数思考力講座」「筑駒・開成 国語分析力講座」「筑駒・開成 理社考察力講座」が開講され、こちらも月3回だ。 なお、入塾テスト(入会テスト)のハードルは高い。 早稲田アカデミーの運営なので非常に面倒見がよく、講師たちは全力で生徒をサポートしていく。早稲田アカデミーといえば、開成や早稲田などの難関校対策の「NN志望校別コース」に定評があるが、このNNはとにかく情報を持っていることで知られる。他の大手塾に通っている生徒たちがわざわざNNを受講するのは、この情報を得るためという側面もあるだろう。その早稲田アカデミーの運営なのでSPICAも情報を豊富に持っていることが期待できそうだ。 SPICAは自由が丘にしか校舎はないが、月3回の講座なら通ってみようという場合は一度訪れてみてはいかがだろうか。なお、このSPICAの思考力対策を早稲田アカデミーの校舎でも導入し、難関校対策に使用をしている。
大手のノウハウや情報力と少数精鋭が強み
以上、大手塾が展開する「最難関対策特化型」の塾を3つ紹介した。大手の傘下なので豊富な入試情報を持っており、分析力も高い。それでいて、少数精鋭制が特徴のブランドなのできめ細かさがあり、講師にも当たり外れが少ない。 「この子を御三家に入れよう」と思っても、普通の家庭ならば、自宅から通いやすい場所にあるSAPIXや四谷大塚に入塾させるだろう。それを敢えて、これらの「最難関対策特化型」の塾に入塾させるのは、かなり受験に熱心な層であろう。 東京の多様性を象徴するエリート塾であり、御三家を目指すなら一度検討してみてもよいだろう。
杉浦由美子