トヨタが完全復活!8号車が今季初勝利、7号車は最後尾から圧巻の4位入賞【WEC第5戦サンパウロ6時間】
8号車トヨタが2番手グリッドから安定したペースで優勝
2024年7月14日(現地時間)、WEC(世界耐久選手権)第5戦サンパウロ6時間がブラジル・サンパウロ郊外のインテルラゴス・サーキットで行われ、2番グリッドからスタートした8号車トヨタが今季初勝利をあげた。ポールポジションからスタートを切った7号車はトラブルに見舞われ一時最後尾近くまで後退するも、終盤追い上げて4位でチェッカーを受けた。 【写真はこちら】逆転を狙える位置につけて、シーズンのクライマックスへと進んで行く(全6枚) 前戦ル・マン24時間から速さを取り戻したトヨタは、ブラジルでも素晴らしい走りを見せた。 トヨタは前日の予選で7号車がポールポジションを獲得すると、8号車も2番手に続き、フロントロウを独占。決勝レースでは、7号車のコンウェイがクリーンなスタートを決めると、8号車のハートレーは1コーナーでコースオフを喫するも2位のポジションを守り、トップを走る7号車をサポートして後続のライバル勢の追撃を抑える役割となる。 そんなトヨタの1-2体制に異変が起きたのは90分過ぎ。トップを走る7号車がフルコースイエロー時の速度違反でドライブスルーペナルティを科され、さらに、2時間を過ぎたところで燃料系のコントロールユニット修復のために長いピット作業を余儀なくされ、18番手とほぼ最後尾まで順位を落としてしまう。 7号車のトラブルにより首位に立った8号車は、ハートレーから交代した平川が快調に逃げて、レース折り返しの時点で2位以下との差を30秒まで拡大。さらに平川はタイヤ温度と摩耗をコントロールして、2位との差を40秒以上に広げ、最後の2時間を担当するブエミにマシンを託す。 そして、交代したブエミは安定したペースで周回を重ねて首位を堅守。2位以下に大きく差を広げたまま、2位のポルシェ6号車に1分8秒差をつけてトップでチェッカーを受けた。
トヨタ復活を強烈に印象づけた7号車のスーパーオーバーテイク
一方、2時間を過ぎたところで起きたトラブルにより一時最後尾まで順位を落とした7号車は、諦めることなく順位を上げ、残り2時間でハンドルを握った小林が4番手を走るフェラーリ51号車を射程圏に入れ、チェッカーまで残り5分というところでオーバーテイクして4位でフィニッシュした。 優勝した8号車の的確なタイヤ戦略とチームワークも見事だったが、一時最後尾まで順位を落としながら4位まで浮上した7号車の走りには目を見張るものがあり、昨年までの圧倒的な速さが蘇ってきたことを実感させるものがあった。 これでトヨタはマニュファクチャラーズチャンピオン争いで首位のポルシェに4ポイント差まで迫り、ドライバーズチャンピオン争いでも7号車(小林可夢偉/デフリース)が逆転を狙える位置につけて、シーズンのクライマックスへと進んで行くことになった。 次戦WEC世界耐久選手権第6戦ローンスター ル・マンは、8月30日~9月1日(現地時間)、アメリカ・テキサス州のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われる。