老化防止効果も!意外と知らない【長ネギ】の栄養を逃さない調理のコツとは?管理栄養士が解説
長ネギは鍋や串焼きなどの料理に、また薬味としても使える万能食材です。実は長ネギに含まれる栄養がアンチエイジングにも期待できるといわれています。長ネギの栄養と期待できる身体に嬉しいはたらきについて解説していきます。 *写真で詳しいやり方を見る→意外と知らない【長ネギ】の栄養を逃さない調理のコツとは? ■長ネギの栄養 ■■アリシン アリシンはネギ類に共通して含まれている香り成分です。ウイルスから身体を守ったり、ビタミンB1と結びつきその吸収力を高めてくれます。そのためビタミンB1とアリシンを一緒に食べることで疲労回復にもつながります。生姜焼きは豚肉と玉ねぎやネギが組み合わさった料理なのでオススメです。この香り成分には神経を鎮めるはたらきもあります。血液をサラサラにするはたらきがあるため、心筋梗塞や脳梗塞の予防に期待できます。 ■■β‐カロテン 緑黄色野菜に多く含まれている栄養素です。長ネギは緑色の部分に含まれています。身体の中でビタミンAに変換され、目や皮膚の健康維持につながります。β‐カロテンは強い抗酸化作用があります。抗酸化作用は体内で増えた余分な活性酵素を除去するはたらきがあります。活性酵素は老化やがんなどを引き起こし身体に悪影響を及ぼします。そのためβ‐カロテンを摂ることで身体を老化などから守ることができるでしょう。アンチエイジングに期待できるといえますね。 ■■ビタミンC コラーゲンを作り出すのに必要な栄養素です。コラーゲンが不足すると、細胞同士の結びつきが弱くなって血管・皮膚・骨などがもろくなってしまいます。またビタミンCも強い抗酸化作用を持っています。LDLコレステロールの酸化を防ぐはたらきもあり生活習慣病の予防にも期待ができます。他にもホルモンの合成を促したり、鉄の吸収を助けたりします。 ■■カルシウム 骨や歯を形成するのに重要な栄養素です。カルシウムが不足すると骨粗鬆症を引き起こしやすくなります。カルシウムはビタミンDやビタミンKと一緒に食べることで吸収率アップできます。組み合わせを意識してより効率よく栄養を摂りましょう。 ■栄養を逃さないコツ ■■食べる直前に切る・生で食べる サラダや薬味にして生で食べることが栄養を逃さずに食べるコツです。切るのは食べる直前がポイントです。アリシンは揮発性なので、長く水にさらしたり加熱すると効果が落ちてしまいます。 ■■鍋や汁物にする 汁物にすることで、水に流れ出てしまった栄養もまるごと摂ることができます。アリシンやビタミンCは水に溶けやすいので汁物だと栄養を無駄にせず摂ることができます。鍋や汁物もネギは食べる直前に入れることがポイントです。 ■■油で調理する ネギの緑色の部分に含まれるβ‐カロテンは、油に溶けやすい脂溶性の栄養素です。そのため、油と一緒に調理することで栄養の吸収率をアップさせることができます。 ■まとめ 長ネギにはアンチエイジングに期待できる栄養素がたくさん含まれていることが分かりました。ウイルスから身体を守ったり、老化防止も期待ができるのは嬉しいですね。ネギの栄養を無駄なく摂るコツもお伝えしました。食べ方や組み合わせ、調理方法を工夫することでより効率よく栄養を吸収しましょう。寒くなるこの季節に旬を迎える長ネギをぜひ活用してみてくださいね。 参考文献:正しい知識で健康をつくるあたらしい栄養学 高橋書店 e‐ヘルスネット厚生労働省 ライター/こばやしなつき 管理栄養士。病院での大量調理や栄養士業務を経験。高齢者福祉施設にて利用者様の健康マネジメントに携わる。妊娠を機に退職。妊娠中に食事の大切さに改めて気づき、こども・ママ・家族みんなが笑顔で過ごせるようサポートしたいと思うように。現在は妊娠中の食事やこどもの栄養について情報を発信。栄養や健康に関する記事執筆などを行っている。マタニティ雑誌「マタニティSTYLE2024」レシピ掲載 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)