Metaがファクトチェックを廃止した理由--「X」と同じく「Community Notes」に移行
「Facebook」を運営するMetaは、第三者による現在の事実確認(ファクトチェック)プロセスを廃止し、「X」(旧Twitter)が採用する「コミュニティノート」に似た新しいシステムを導入する。Metaの新しいプロセスは「Community Notes」と呼ばれ、より介入のないアプローチを採用するという。 Community Notesは、今後数カ月かけてまず米国で導入され、最終的には他の国々にも拡大される予定。Facebook、「Instagram」「Threads」で使用されている既存のファクトチェック方法に取って代わることになる。Meta 最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏は、新たなプロセスの説明の中で、現行のシステムは間違いが多く、投稿を検閲しすぎていると指摘した。 「われわれはコンテンツを規制するために複雑なシステムをたくさん構築したが、複雑なシステムの問題点はミスを犯すことだ」と、Zuckerberg氏はFacebookに投稿された動画で語った。「たとえ投稿のわずか1%が誤って検閲されたとしても、それは何百万人にも及び、間違いや検閲が多すぎるという状況に陥っている」 現在のプロセスに漂う検閲の臭い ファクトチェックの仕組みを説明するMetaのページによると、現在のプロセスでは、独立したファクトチェッカーが投稿や広告の正確さを評価しているという。そのレビューに基づいて、Metaはコンテンツを削除、ラベル付け、またはその他の方法で制限するかを決定する。しかし、この方法は検閲のように感じられるとして、保守派から長い間苦情が寄せられてきた。米国の新たな政治情勢によって、そうした声はますます大きくなっている。 Zuckerberg氏は動画の中で、「最近の選挙は、再び言論を優先する文化的な転換点のようにも感じられる」と述べる。「だから、われわれは原点に戻り、ミスを減らし、ポリシーを簡素化し、プラットフォームで自由な表現を取り戻すことに集中するつもりだ」 Metaのグローバルアフェアーズ部門で最高責任者を務めるJoel Kaplan氏は、「More Speech and Fewer Mistakes」と題したニュース投稿の中で、現在のプロセスを批判している。同氏は、あまりにも多くの無害なコンテンツが検閲され、あまりにも多くの人々が「Facebook刑務所(Facebook jail)」に送られる羽目になったと述べている。また、Metaはそうした間違いを正すための対応も遅いと指摘した。新しいCommunity Notes機能は、Xが搭載するものと同じように機能し、より広範なユーザーコミュニティーが、どの投稿が誤解を招くか、または不正確か、どの投稿にもっとコンテキストが必要かを判断する。