パワーカップル熱視線、新興・私立小の正体 「金ぴか御三家」と何が違う
受験対策は「掛け持ち」が定番
志願者が増えれば当然、受験競争も過熱する。小学校受験対策の実態はどうなっているのか。 ここでもやはり、受験競争へのパワーカップル参戦の影響が出ている。1964年開塾と歴史が長く、有名私立付属小学校や幼稚園への進学実績を強みとする慶進会(東京・千代田)代表の島村美輝氏は、「慶進会に子供が通われる家庭は、両親それぞれが職に就き、社会貢献されている世帯の割合が高い」と説明する。 小学校や幼稚園受験では、偏差値が高い付属中学校、高校の系列校というだけではなく、子供の教育と両親の成長につながる学校を提案してほしいというニーズが高まっているという。慶進会のような塾は、長年の蓄積を基に、こうしたニーズにもきめ細かく応えられるのが強みだ。 「例えば、同じ『雙葉』でも、東京都千代田区の雙葉小学校の他に、世田谷区の田園調布や横浜にも系列小学校があり、親の層や教師の雰囲気も違う。このレベルまで、慶進会に所属するベテラン教師の一人ひとりが様々な事情を熟知しているので、指導している子供に合った学校を提案できるのが強み」(島村氏) 新井氏も、「受験料が高額でも、教育がきめ細かく、情報も豊富な老舗塾に通わせたいという保護者は増えている」と説明する。 王道ルートとなっているのは、個人塾と大手塾、両方に通わせる組み合わせだ。 個人塾は、地域の特定学校の進学実績に強みを持つところがあり、絵画などの芸術分野、運動の指導などを行うところが多い。早い段階から志望校を決め、個人塾を中心に勉強させつつ、大手塾で受験情報を広く収集するという使い分けが主流だ。 一方、大手塾ではジャック幼児教育研究所やスイング幼児教室、伸芽会が定番人気だという。
髙田 悠太郎