パワーカップル熱視線、新興・私立小の正体 「金ぴか御三家」と何が違う
中学受験を授業で支援する体制が充実している私立小学校も、やはりパワーカップルの支持を集める。こうした評価が高い洗足学園小学校(川崎市)は、ここ10年で志願者数を大きく伸ばしている。 私立小学校で高度な教育を受けさせれば、中学からインターナショナルスクールに通わせたりするなど、中学校以降の選択肢の幅も広がる。 ●名門校は○○を目当てに底堅い人気 一方、父親が資産家で高学歴といった“典型的”な富裕層を中心に、ブランド校の人気も底堅い。代表格は、慶応義塾幼稚舎(東京・渋谷)、学習院初等科(東京・新宿)、青山学院初等部(東京・渋谷)の通称「御三家」だ。 「『幼稚舎からではないが、自分が慶応なので我が子も慶応』というように、自分が獲得した“ブランド学歴”を重視する保護者も依然いる。エスカレーター式の進学で、大学まで一定の学歴が“保証”されるのも強みとなっている。 加えて、ブランド校には、経営者や優秀なビジネスパーソンの子供が多く集まる。そこで培った人脈は、子供の将来に生きる。ちなみに、自分のビジネスにも生かそうと、親同士の人脈構築を狙う層もいるようだ」(野倉氏) しかし、名門校に旧来の富裕層の子供が多く集まるのは、今に始まったことではない。なぜ重要性が見直されているのか。「人工知能(AI)の普及による影響が大きい」。そう指摘するのが、執事サービスを請け負う日本バトラー&コンシェルジュの新井直之氏だ。 「我が子を世界で通用するようにしたいと考える親は今も多いが、語学力に関しては、翻訳アプリでコミュニケーションできる時代が来る。そんな流れで人脈構築の重要さが見直され、子供を名門小学校に通わせたいという親が増えた。 また、幼いうちからインターナショナルスクールに通わせると、良くも悪くも、日本人独特の謙虚さが身に付かない。将来、仕事で苦労すると考える富裕層は増えており、国内の名門小学校に通わせたいという声をよく聞く」(新井氏)