勝訴の伊藤詩織さんが会見(全文2)MeTooからWeTooに
山口氏は控訴の意向を示しているが、どう思うか
日刊スポーツ:いいですか。日刊スポーツ【ムラカミ 00:17:35】です。今、詩織さんのほうから終わりでないって言葉があったんですけれども、早速、山口氏も会見を開いて控訴するという趣旨の発言等々なされてるんですが、その今後のことを踏まえてどうでしょうか。 伊藤:控訴されるということでこのケースが終わりでないということと、私個人的な気持ちとしてこれをゴールに今までお話ししていたわけではないので、このプロセスを経て知れた情報だったり、その過程を踏まえて今後できることがたくさんあると思うので、なので今後もこれからがまた、これが1つのピリオドであるけれども、また新しくスタートするものもあるので。
性被害の声を上げやすくするために何が必要か
日本テレビ:日本テレビの『news zero』の岩本です。【お疲れさまです 00:18:34】。まだまだ日本には性被害に声を上げられない方、多くいらっしゃると思います。詩織さん自身はこれから日本でもっと性被害の声を上げやすくするためには何が必要だと考えていますか。 伊藤:よく海外のメディアの方から、なぜ日本ではMeTooがそこまでムーブメント化しなかったのかというように聞かれるんですけれども、私は思った以上に声は上がっていたと思うんですよね。ただそこをどうすくい上げていいか、どう守りながらすくい上げていいのかっていういろんな課題があったと思います。 そこで私たちはMeTooではなくWeTooという言葉にしたらどうだろうっていうことを有志で立ち上げました。というのはやはりサバイバー、被害者が自分の被害を明かすのにはすごく、私も体験したようにリスクがあります。そうするのではなく、もちろん声が出たらその声を守る、そうではなく誰もが被害者にならない、加害者にならない、そして傍観者にならない、本当にこのことをみんなで考えていかなければいけない。私はやっぱりこの性犯罪というケースは密室で行われることもあって、その前、その前後の傍観者っていうところが必ずどこかの生活で行われるわけなので、いるんですよね。ただその人たちがどういうふうに協力してくださるかっていうところがすごく大きいと思うので、私は本当に社会全体でそういったところをきちんと自分事として、自分でもアクションが取れるようにしてほしいなと思っているのが1つと。 やはりネット上ではまだまだ私に対しても、ほかのサバイバーの方に対してもすごく冷たい声があふれています。そういったものに対してやはり同じ体験をされて、どうしようと思ってネットにいって答えを探そうとするとそういったネガティブな、マイナスな声に触れてしまう、そうするとやはりなかなか助けてと言えなくなってしまう。そう思うとやはりそういったネットの世界での冷たい声だったりを、いかにセカンドレイプ的な発言と向き合うか。それに負けないくらいもっとサポートの声を増やしていくかっていうことが今後できたらなと思っています。