【チャレンジC】無念の結果に終わった秋華賞のリベンジへ…コガネノソラ陣営に直撃/新人記者のトレセン日記
[GⅢチャレンジカップ=2024年11月30日(土曜)3歳上、京都競馬場・芝内2000メートル] 【新人記者・栗栖歩乃花のトレセン日記】 競馬は人馬とも命がけで挑みます。どれだけ気をつけていても、生き物同士の勝負事だから事故が起きてしまうこともあるのです。今回、GⅢチャレンジCに出走するコガネノソラ(牝3・菊沢)は、前走の秋華賞で騎乗予定だった丹内祐次騎手がレース前日に落馬負傷のため無念の乗り替わり。今回はコンビ復活となるコガネノソラ陣営について取材してきました。 GⅠでは12→9着と悔しい結果が続いていますが、その他のレースでは掲示板を外したことがなく、コンスタントに結果を残し続けています。堅実な走りについて菊沢調教師は「根性があるから」と説明してくれました。「乗っていても負けん気がありますし、追いかける本能もいいものがあると思います。バネがいいですし」。生まれ持った能力がコガネノソラを突き動かしていました。 2走前のGⅢクイーンSで初めて騎乗したのが丹内騎手。当時、中間の調教は全て丹内騎手が騎乗していました。その丹内騎手は「乗る前は走るのかな?という感じだった」と振り返ります。しかし、実際にまたがってみると「バネがあってすごくいい動きで、〝これは走るな〟と思いました」と好感触を抱き、「長くいい脚を使える」というセールスポイントを生かして見事に優勝しました。師と鞍上お墨付きのバネの良さは、注目したいポイントです。 しかし、「テンションが上がると跳びはねたりして油断ができない」と菊沢師が話すように、ちょっぴり心配事は残ります。それは菊沢師だけではなく「もう少しテンションが落ち着いたらいいんですけどね」と丹内騎手も心配しています。「今は落ち着いているんだけど、(競馬場のように)人がガヤガヤしているのが苦手だね。田舎生まれ田舎育ちだから都会は苦手(笑い)」(菊沢師)。北海道で生まれて美浦で育ち、馬の世界では超ぜいたくな暮らしをしていたからこそ、にぎやかな環境に敏感なお嬢様気質なのかもしれませんね。 秋華賞前日に新潟で負傷して、無念の乗り替わりとなった丹内騎手。声のトーンが下がり「切なかったです」という思いを持ちながら新潟から帰ってきたそう。その言葉が出てきた理由はもちろん「期待していたから」に他なりません。クイーンSは、普段なら乗らない51キロで騎乗するため、体を絞って臨んだそうです。「減量してつかんだチャンスでもありましたから」 その悔しさを晴らすチャンスが訪れました。「今回は(秋華賞と)同じ京都ですし、何とか結果を出したいです」と力が入る丹内騎手。コンビ結成初戦で勝利をつかんだ人馬ですから、今回も期待が高まります。
栗栖 歩乃花