黄綬褒章を受章した武豊騎手がジャパンカップでみせた、おそるべし求心力 井崎脩五郎のおもしろ競馬学
目の前で、武豊騎手の受章記念セレモニーが行われていた。11月23日(土)、昼休みの京都競馬場である。 【写真】レース後トークショーで話すイチローさんと武豊騎手 武豊騎手が黄綬(おうじゅ)褒章を受章したので、そのお祝いのセレモニー。 花束贈呈が行われたあと、武豊騎手はこう語った。 「本当に光栄です。ただ、この黄綬褒章は決して一人ではいただけなかったもの。競馬界、このサークル全体でいただいたものだと思っています」 さらには、翌日に行われるジャパンCの前売りで、騎乗するドウデュースが1番人気になっていることに触れ、こう語った。 「あすは大一番ですし、1番人気になっているので緊張しています。皆さんの期待に応えられるようにいい騎乗をしますので、応援してください」 いつもながら、スピーチが上手で、心があるなあと感じ入った人は多数だと思う。 セレモニーを一緒に見ていた、競馬風俗研究家の立川末広が、「黄綬褒章というのは、どういう章なんでしたっけ」と言った。 ああ、名前は知っているけど、どういう章なんだろうと思って、手持ちの電子辞書をひいてみたら、広辞苑にこう出ていた。 <黄綬褒章=業務に精励して人々の模範たるべき者に与えられる褒章。> おお、まさに武豊騎手にぴったりの章ではないか。 「立川君、あしたのジャパンCでは、武豊騎手の受章記念馬券が出るかもな」 「ありえますよねえ。武豊騎手のドウデュースは3枠に入っていますから、ジャパンCは3枠から、黄綬褒章ということで黄色い帽子の5枠へ」 「その馬券、気がついて日本中で買っている人がいるかもな」 そんな冗談を言っていたら、なんと、これが現実に。 ジャパンCはドウデュースが勝ち、2着は5枠と6枠が同着。枠連③⑤(320円)は的中したのである。おそるべし武豊の求心力。(競馬コラムニスト)