相談しにくい管理職のお悩みに、識者が回答します！（Worawee Meepian/gettyimages）

部下のマネジメント、仕事の成果、重くなる責任……管理職になれば向き合う問題が次々と襲ってくるようになりますが、立場上なかなか相談しづらくなるのがつらいところ。 そんな管理職のみなさんが抱えるマネジメントの悩みに、人材育成、女性活躍、ダイバーシティ、組織開発、チームワークなどに長けた識者が回答します。

回答者：宮原淳二さん 東レ経営研究所 ダイバーシティ＆ワークライフバランス推進部長 約20年前、当時“働き方改革”の先陣を切っていた資生堂に入社し、営業、商品開発・マーケティング、労働組合専従、人事部など様々な業務を経験した。 特に男女共同参画・WLB（ワーク・ライフ・バランス）の分野で中心的に活躍、当時まだ珍しかった男性育児休業も取得。マネジメント経験も豊富。 2011年に東レ経営研究所に転職し、働き方改革に関する講演や政府の審議会委員なども務める。

今回の悩み

「私の働く会社は大手企業で、働き方改革も進み、制度や処遇も比較的良いです。しかし、退職率は依然高いのが悩みです。管理職の立場からすると、長時間残業もさせていないし、大事に接しているのに、すぐに『退職したい』と言ってくる若い世代がよくわかりません。 なかなかプライベートな話も昨今は聞きづらいですし、夜の飲み会などに誘うのもNGになっているので、深く話を聞く機会も持てません。一体どうしたら退職を止められるでしょうか」

宮原さんの回答

宮原 淳二さん

ご相談ありがとうございます。 「今の若者たちはすぐ辞めてしまう」という声もよく聞きますが、果たしてそうでしょうか。 彼らは、大企業の名前や安定にとらわれず、中小でもベンチャーでも自分が納得いけば新卒から飛び込んでいく世代。 もし相談者さんの会社で退職が続いているのであれば、きっとそこに改善すべき原因があるはずです。一緒に考えてみましょう。

タイパのいい若手時代を過ごすには

「タイパ」という言葉をご存じですか。 私の大学生になる娘がよく使う言葉です。 タイパとは、タイムパフォーマンス。かかった時間に対しての効果や満足度を表す言葉です。少ない時間で満足度の高い経験や効果が得られると、「タイパがいい」となります。 Z世代は、このタイパを重視しています。