海外で話題を集めた「クルマの流行」 おしゃれなアイテムから悪趣味なものまで 34選 前編
金のバッジ
金メッキや純金製のバッジや装飾品で愛車を際立たせようとするオーナーは昔からいる。レクサスが金のバッジを装着し始めると、ボンネットやトランクにキラキラ輝く装飾品を付けるクルマが急増した。その狙いは、さりげなく高級感を演出することだが、実際には露骨でやや下品な印象を与えることが多い。 マクラーレンはスピードテールに18金ホワイトゴールドのバッジ(オプション)を付けて、オリジナリティを強調した。もっと希少なプラチナを選ぶことも可能だ。
テールフィン
テールフィンを量産車に取り入れた人物として、GMのチーフデザイナーであるハーレー・アール(1893~1969)氏を紹介することが多いが、その後輩のフランクリン・クイック・ハーシー(1907~1997)氏の功績とする見方もある。いずれにしても、テールフィンは1948年のキャデラックを皮切りに、1950年代を通じてあらゆる米国車で急速に普及し、サイズも存在感も大きくなっていった。 テールフィンは世界中で取り入れられ、流行のピークは1959年のキャデラック・エルドラドだ。1960年代に入ると、テールフィンは古いというイメージが広がり、もっと実用的なデザインが好まれるようになったため、徐々に姿を消していった。
ウッドパネル
1950年代までボディの生産には木材が広く使われていたため、外装に木材がむき出しになっているクルマが多く見られた。米国ではこうしたクルマは「ウッディーズ」として知られ、これにインスピレーションを得た多くの米国車メーカーが、ステーションワゴンに高級感を添えるためにウッドパネルを採用するようになった。 1980年代にミニバンが登場し、広い室内空間を持つ乗用車が人気を集め始めると、プラスチックの木目調パネルを施した大型のステーションワゴンの需要は低迷。クライスラーPTクルーザーを最後に、量産車におけるトレンドは終わりを告げた。
マフラーの大型化
競技用車両のマフラー(排気管)が大きいのは、より多くの排気ガスをエンジンからできるだけ早く排出し、パワーを最大限に引き出すためだ。一般のクルマに大型のマフラーを装着すると、たいていは社会のマナーに反するような騒音が発生する。 1960年代にアフターマーケット(後付け)のチューニングが定着して以来、大型のマフラーはスピード狂の象徴となっている。性能が上がったかのような印象を受けるかもしれないが、競技用車両のようにエンジン全体を改造しない限り効果は薄く、かえってパワーの低下を招く可能性もある。