新NISA一生お宝級の高配当日本株30銘柄・1位の利回り5.14%「JTは外しました、念のため」
大手証券会社10社(対面5社、ネット証券5社)のNISA口座で買われた金融商品を調査したところ、2024年1~3月の3カ月では全体の47%が国内株式、3%が外国株式、50%が投資信託だった(日本証券業協会「NISA口座の開設・利用状況〈証券会社10社〉」)。 一生お宝になるかも!?【大型の高配当株30銘柄】はこちら! 新NISAの成長投資枠は年240万円まで、つみたて投資枠は年120万円まで。前者のほうが枠も大きいため当初3カ月調査の数字だけではすべてを語れないが、新NISAで日本株も人気であることはわかる。 ■高配当株は嫌われ者投資 楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジストの窪田真之さんは語る。 「日本の個人投資家は『高配当株』と『逆張り投資』(株価が下がったところを買う)が大好きです。配当利回りは株価が下がるほど高くなるため、高配当株を狙うほど逆張り投資になりやすい」 窪田さんは「高配当株投資は、ある意味、嫌われ者投資」と表現した。なんだかユニーク。 「2024年は、みんなに好かれて株価が上がった銘柄も多いのに、嫌われてあまり上がらない銘柄=高配当の銘柄を探すのですから。 『配当をもらいつつ長期保有で株価も上がって、優良な高配当株はいいことばかり!』という感じでメリットしかないような言い方をする人もいらっしゃいますが、本来は嫌われ者投資です」 嫌われ者の中で、今後も性格は悪いまま(業績も悪いまま)の株をいかに排除するかが大切、と。 今回の調査では「TOPIX(東証株価指数)500」採用銘柄のうち、予想配当利回りが2.5%以上の銘柄を抽出。そのうえで、窪田さんに長期保有できそうな30銘柄を選んでもらった。 上から順にコメントを。1位は海運大手の日本郵船、予想配当利回りは5.14%(2024年9月3日現在/以下同)だ。
「海運株は業績の好不調が激しいイメージがありますが、近年は業界再編が進みました。日本郵船には安定的に高配当を続けられそうな収益、財務基盤があります」 2位は自動車のホンダ。 「今後、全部EV(電気自動車)になるという『思い込み』が広がったようで、ガソリン車や二輪車主体で稼いでいるホンダはPBR(株価純資産倍率)0.6倍前後の割安株として放置されています。 ホンダはソニーと共同で高付加価値EVの共同開発も行い、今後も生き残ると思います」 スマートフォンが日常生活に欠かせない時代、通信セクターの銘柄も安定した株主還元に期待できる。 具体的には財務内容が好転した3位のソフトバンク。窪田さんは「9984のソフトバンクグループではなく、9434のソフトバンクのほうですよ」と念押し。 20位のNTTはAI向けデータセンター事業の成長性に期待が持てる。株価150円前後と買いやすく、新NISAの日本株では人気ナンバーワンだ。そして28位のKDDIも通信セクター。 「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏も投資した、大手商社株も安定成長に期待できるという。 「最近の商社は不採算事業をきっちり損切りできるようになりました。新興国や資源ビジネス、ネットビジネス、宇宙ビジネスなど儲かりそうな新分野への意欲的な投資で収益拡大が見込めそうです」 ■JTを除いた理由 ところで、窪田さんは高配当株として人気の高いJTを除いた。その理由は? 「ロシアでのたばこ販売比率が高く、撤退や事業没収のリスクがあるといわれます。私個人としてはそこまで心配ないと見ていますが、念のため外しました」 株式投資に力を入れている個人投資家の意見も聞いてみよう。 投資熊さんは「一生お宝級の銘柄は?」という質問に対し、「基本的に一生持ちたい銘柄はない。ほったらかしの株も、ない」と前置きしたうえで、「問題がなければ数年は保有する予定の銘柄として、NTT、KDDI、信越化学工業、三菱UFJ FG」の4銘柄を挙げた。 信越化学工業は半導体の原料となるシリコンウエハー製造で世界一。三菱UFJ FGは言わずと知れたメガバンクの雄である。