海外で話題を集めた「クルマの流行」 おしゃれなアイテムから悪趣味なものまで 34選 前編
CB無線
1970年代から80年代にかけて、米国市民の間ではいわゆるCB無線(市民ラジオ)が全盛だった。子供たちの間でも、無線用語を真似て会話の始まりに「ブレイカー、ブレイカー、ワン・ナイン(breaker, breaker one-nine)」をつける遊びが流行った。 こうした流行は、映画『コンボイ』や『トランザム7000』といった長距離トラックを題材にした映像作品の数々から生まれた。この流行により、米国のトラック運転手の隠語によるミステリアスな世界が一般に知られるようになり、乗用車にも浸透していった。 1990年代に入ると、手頃な価格の携帯電話が普及したことで車載CB無線は廃れていったが、米国では今でも通信手段として多くのトラック運転手が使い続けている。
シザードア
1980年代のモーターショーに行けば、ランボルギーニ風のシザードアを装備した特注車を数多く見ることができた。平凡なハッチバックからロールス・ロイスまで、さまざまなクルマが改造の対象となったが、成功の度合いや技術的な整合性には程度の差があった。 今でもシザードアの改造キットを販売している業者はあるが、2000年代半ばの改造車ブームの失速とともに、このトレンドも衰退した。
4x4サスペンションのリフトアップ
世界中でSUV人気が高まるずっと以前から、オフロード走行には四輪駆動システムが欠かせなかった。地上高を高くする必要性から、サスペンションのリフトアップ機構の開発が進められた。ボディを持ち上げ、過酷な路面状況でもタイヤや車軸に十分なクリアランスを確保する。 一般道しか走らないドライバーたちもその外観を気に入った。1980年代には、ピックアップトラックから高級SUVまで、脚立がないと乗り込めないほど車高を上げることが流行した。このトレンドの究極形態が、ショーイベントで巨大なジャンプ台を跳んだり、クルマを踏み潰したりして観客を楽しませるモンスタートラックだ。
車高短
ワイド&ローのスタイルはもともと、ハンドリングを向上させたいという願望から生まれたものだ。見た目はドリフト車とよく似ているが、独自のスタイルを確立し、機能よりも見た目が重視されている。 ドリフト文化の盛んな日本が発祥であり、日本車をベースに改造することが多い。海外では一般的に「スタンスドカー(Stanced cars)」と呼ばれる。このスタイルは今や世界中に広まり、タイヤを可能な限り幅広のリムに装着するなど多くのサブセクションが生まれている。