クリスマススペシャル!銀山の坑道内で3か月寝かせるシュトーレン? 地元企業「カタシマ」が挑むドイツ文化へのリスペクトと地域振興への想い
クリスマス気分をあげてくれる、シュトーレン。ドイツ伝統の発酵菓子であり、ドイツ語読みだと「シュトレン」。日本ではパティスリー、ホテルブティック、パン屋など、様々なお店と作り手により独自の道を進み、ここ数年間の中でも今年は最もシュトーレン熱が高くなっています。 そんな中でも伝統と日本の自然を掛け合わせて作られるシュトーレンが兵庫県に。それは「パティスリー&カフェ カタシマ」。食材の宝庫、但馬・丹波地方に4つのお店がある地元密着型のお店です。そんなカタシマさんが作るシュトーレンは、ドイツ菓子へのリスペクトと地域振興が込められたものでした。
史跡・生野銀山で、3か月熟成させる
もともとシュトーレンは、クリスマスへのカウントダウンを楽しめる日持ちのする発酵菓子。日が経つにつれて熟成して美味しくなる過程を楽しむ人も多い。 カタシマさんのシュトーレンは史跡・生野銀山(兵庫県朝来市生野町小野)の坑道で、約3カ月熟成させているというので驚き。一般的なシュトーレンは日持ちが約1カ月程度。そんな中でも3か月熟成というのはかなり新しい製造方法。そしてなぜ坑道か、ドイツ語の意味にもヒントが。実はシュトーレンの名前の意味はドイツ語の「坑道」という。 始まりは2010年という「蔵出しシュトーレン」は、なぜ坑道で熟成をさせたのか? 話を伺うと、ヒントに中の温度帯と地域振興への想いが。この坑道ではワインを寝かせているそうで、それを聞いたカタシマさんがシュトーレンを寝かせてみたという。
安定した気候が美味しさをもたらす
年間を通して気温約13度の坑道で寝かすことでそれぞれの味が染み渡り、しっとりとした食感と、奥深い味わいに。通常のシュトーレンよりもバターの量や製法も異なり、熟成仕様にしているよう。さらにこだわりは材料にもありました。 ドライフルーツにしたイチジクやオレンジ、アプリコット、養父市産の「天滝ゆず」、レーズンを使用。それらをフランスの貴腐ワイン「ソーテルヌ」に漬け込み、アーモンドペーストとともに生地に包んで焼き上げています。 そして蔵での熟成期間「3か月」という期間は最も適した期間だという。“3か月以下では、素材の一体感が感じられず、3か月を超えるとクリスマスまでに熟成が進みすぎて生地本来の甘みや旨味が弱くなる”とカタシマさん。いざ実食すると、バターとお酒に漬け込まれいたフルーツ、そしてお酒の一体感が凄くなめらかでシュトーレンの概念を覆す味わい。香りもよりビターでコクのある味わいは、年に1回のお楽しみ・ご褒美としてぴったりです。