【昼田祥子さん】クローゼットの詰まりは人生の詰まり。“服捨て”で選択のレッスンを【片付け苦手勢必読】
今回のゲストは、ファッションエディターの昼田祥子さんです。昼田さんは、昨年『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』(講談社)を出版、LEE2024年7月号プリント版に登場し“服捨て”を紹介すると大きな反響を集めました。また発売中のLEE2024年11月号プリント版では理想のクローゼットの作り方を紹介中、こちらもぜひご覧ください。 インタビュー前半では、服を捨てようと思ったきっかけや具体的な方法、3年かけて向き合い続けた“選択のレッスン”について聞きます。また、昼田さんの変化を機に起こった夫の変化・食生活の変化、人生がクローゼットにつながっているという気づきについて掘り下げます。“クローゼットの詰まりは人生の詰まり”という考え方は、「片付けが苦手」という人にこそ知ってほしい考え方です。(この記事は全2回の第1回目です)
2年着ていない服は「捨てる」。迷ったら袖を通して「明日着る」と思えたものは残し「それがなぜ必要か」理由づけする
昼田さんが服と向き合おうと思ったきっかけ、それは人生の閉塞感でした。仕事のストレスや将来への不安、日々の不満。何かがうまくいかない、そんなモヤモヤを抱えている毎日の中で唯一変えられるのが「物」でした。そこで向き合ったのが自分の中で一番大切だった“服”です。 「それまでも服を整理しようと思ったことが何度かあったのですが、一歩踏み込んでみたら一向に捨てられませんでした。今のままでは何も変わらない、このままだとまたモヤモヤした日々に戻ってしまう。だからこそ今までやったことがない、一番できないと思っていることに向かうことしかない。もう後には引けないという状態でした」
そこで服の整理、“服捨て”を始めます。土日などの休みや子どもが寝た後、まとまった時間がある時に行いました。2年着ていない服は「捨てる」、迷った場合はもう一度袖を通して「明日着る」と思えたものは残す。残すと決めた時も「それがなぜ必要か」をきちんと理由づけする。3年かけてそのプロセスを繰り返し、1000枚の服を50枚ほどに。現在はさらに減って、20枚ほどになっているそうです。 「しんどさもありましたが、私にとっては楽しい時間でした。ジムで体を動かすみたいにスッキリできる気持ち良さがある、少しずつだけれど必ず前に進む。続けているとどんどん軽くなる感覚があり、何も新しいことをしていないのに気持ちが変わっていくんです。私は3年かかってワードローブが完成しましたが、かなり時間がかかった方だと思います」