【昼田祥子さん】クローゼットの詰まりは人生の詰まり。“服捨て”で選択のレッスンを【片付け苦手勢必読】
服捨てをしながら、買うことも続ける。「選択のレッスン」を繰り返して「クローゼットを循環」させる
昼田さんの“服捨て”は一般的な整理収納や断捨離とは異なります。アイテムの枚数を決めたり買わないルールを決めたりせず、服捨てをしながら同時に買うことも続けていました。つまり“クローゼットの循環”、呼吸するように必要なものを選択し不要なものを捨てる。そうすることで自分のクローゼットを作っていきます。 「捨てたものを後になって捨てなきゃよかったと後悔する人もいますが、それは今の状況に満足していないことを表しています。今よりも過去に目が向いてしまう思考が強いのだと思います。選択に失敗はなく、大切なことは自分の選択にきちんと重心がのっかっているか。そんな選択のレッスンを繰り返して、選択の精度を上げていくことで徐々に自分の軸を太くしていく。時間がかかっても、それは選択する力を学ぶ時間と考えれば納得できます。時間をかけて習得した選択力は継続もしやすい。 おかげで私は服捨てを始めてから一度もリバウンドしていません」
選択する時に大切にしたいのは、自分軸で考えられているかどうか。「誰かにおしゃれに見られたい」「会社でこんなふうに思われるかも」「予算オーバーだからこっちにした」。物を購入する時、人は自分以外の軸から選択してしまうことが多いそうです。 「いつも自分の気持ち100%で選べていない。それが続くと本音を忘れてしまい、問いかけを繰り返さないと本音がなかなか出てきません。本音を心の中から取り出すレッスンこそが“服捨て”だと思っています。“なぜこの服が必要なのか”という問いかけを服1枚ずつにしていく。自分の本音をインタビューしまくる。そうすることで自分のなりたい姿、理想のクローゼットが分かってきます。それは“本来の自分でいていいんだよ”と受け入れることでもあります」
服捨て、妊娠、移住、ヨガ、食生活の変化…人生とクローゼットは繋がっている
その後、昼田さんは人生とクローゼットは繋がっていることを実感します。服捨てを始めたのが2016年、その年に妊娠が分かり2017年に出産、2019年に服捨てが完了した後、2020年には夫の実家・山形に移住します。 「移住のきっかけは、夫の退職と子育てをより良い環境でしたいという思いがあったから。あと、いつか自分の好きな場所で好きなように働いてみたい、という思いがありました。2018年、服を捨てている最中に『どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルール』(尾原和啓、ダイヤモンド社)を読んで、こんな働き方があるんだ、こんな生き方がいいなと憧れていたところに、コロナ・夫の退職が重なり、やりたい方向に行けるチャンスだと思いました。大きな選択ですが、選択をし続けてきた私の本音は“行きたい”の一択。移住は自然な流れでした」