宮田莉朋組が最終戦で2勝目。LMGT3は最終周最終コーナーでの逆転で濱口弘組が戴冠/ELMS第6戦ポルティマオ
10月19日、ポルトガル南部のポルティマオ近郊に位置するアウトドローモ・インテルナシオナル・ド・アルガルベでELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ最終戦となる第6戦の4時間レースが開催され、クール・レーシングの37号車オレカ07・ギブソンをドライブするロレンツォ・フルクサ/マルテ・ヤコブセン/宮田莉朋組が優勝を飾った。 【写真】レース後のパルクフェルメで喜ぶ宮田莉朋らクール・レーシングのドライバーたち LMP2クラスのタイトルは、総合2位に入ったAO・バイ・TFの14号車(ジョニー・エドガー/ルイ・デレトラズ/ロバート・クビサ)の手に渡った。14号車はタイトルを争うインターユーロポル・コンペティションよりも前でフィニッシュしたことで、年間タイトルを決定付けた。 クール・レーシングの37号車は、佐藤万璃音のユナイテッド・オートスポーツ22号車が3時間目にドライブスルー・ペナルティを受けた結果、トップに立った。 22号車は、予選でポールポジションを獲得していたパニス・レーシング65号車とフィリップ・ウグランが序盤に接触しペナルティを受けたことで順位を落としていた。一方の37号車はトップに立ち、ゴールまでその座を譲ることはなかった。37号車にとっては開幕戦のバルセロナ以来となる、今季2勝目となった。 カール・ベネット/フェルディナンド・ハプスブルク/フレデリック・ベスティのクール・レーシング47号車は、インターユーロポル・コンペティションのオレカ2台を上回り、総合表彰台を獲得した。 LMP2プロ/アマでは、最終ラップでプロトン・コンペティションの77号車がアルガルベ・プロ・レーシング20号車を破ってクラス優勝。年間タイトルは、AFコルセ83号車陣営が獲得した。 ベント・フィスカール/ジョルジオ・ローダ/ルネ・ビンダーの77号車は、フィスカールがクリトン・レントウディス/アレックス・クイン/リチャード・ブラッドレーの20号車を追い抜き、今シーズン初勝利を飾った。 クインがハンドルを握った20号車は、AFコルセからタイトルを奪い取るために最後の燃料スティントを延ばそうとしたが、フィスカールがレース終了直前にオーバーテイクを成功させたため、及ばなかった。 この結果、フランソワ・ペロード/アレッシオ・ロベラ/マシュー・バキシビエールがクラス4位フィニッシュでチャンピオンシップを獲得している。 LMP3では、クール・レーシングのミゲル・クリストバオとマヌエル・エスピリト・サントが、マイケル・ジェンセン/ニック・アドコック/ガエル・ジュリアンの15号車RLR Mスポーツ・リジェJS P320ニッサンに10.685秒差をつけてクラス優勝を遂げている。 ■最終コーナーでの順位変動で、木村武史組はタイトル逃す LMGT3では、アイアン・リンクスの63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo2(濱口弘/アクシル・ジェフリーズ/アンドレア・カルダレッリ)が最終ラップの最終コーナーでオーバーテイクを見せ、このレースのクラス優勝、および年間タイトルを決めた。 カルダレッリは、姉妹チームのミシェル・ガッティンのドライブするアイアン・デイムスの85号車ポルシェ911 GT3 Rを、残り数百メートルという最終コーナーでパスした。 63号車ランボルギーニとタイトルを争っていた、ケッセル・レーシングの57号車フェラーリ296 GT3(木村武史/エステバン・マッソン/ダニエル・セラ)はLMP3車両との接触でドライブスルーペナルティを受けたが、終盤には5番手まで順位を回復し、そのままゴールすればタイトルを獲得できる位置にいた。 このケッセルのタイトル獲得を防ぐためには、アイアン・リンクスのカルダレッリはガッティンを追い抜く必要があった。ガッティンは最終1時間の大半で、カルダレッリからのプレッシャーに耐えていたが、最終ラップの最後のコーナーではほぼ無抵抗にカルダレッリのオーバーテイクを許し、これにより濱口/ジェフェリーズ/カルダレッリが劇的な形でタイトルを獲得。一方の木村組はわずか2ポイント差で涙を飲むこととなった。 ガッティン/サラ・ボビー/ラヘル・フレイが2位でフィニッシュし、クラウディオ・スキアボーニ/マッテオ・クレソーニ/ジュリアン・アンドラウアーのプロトン・コンペティション60号車ポルシェが3位表彰台を獲得した。 ELMSの2024シーズンはこれで全イベントが終了。2025シーズンのカレンダーはすでに発表されており、来季もスペイン・バルセロナで4月に開幕を迎える。 [オートスポーツweb 2024年10月21日]