両陛下イギリス訪問へ 3代の天皇と英王室の深い交流【皇室a Moment】
陛下にとって12歳年上のチャールズ国王は“兄”のような存在です。過去5回の来日では、平成と令和、2つの即位礼にも出席しています。
国王が、2008(平成20)年10月、カミラ王妃と来日し、慶応大学を訪ねて若い人たちと交流した時は私も現場で取材しましたが、学生たちに「study hard――しっかり勉強を」と気さくに声をかけていたことを思い出します。 ――こうしてみると、チャールズ国王の気さくなお人柄もわかりましたし、陛下とは本当に親しいことがよく分かりました。 昭和天皇の訪問の時も、平成の天皇だった上皇さまの訪問の時も、先の大戦が色濃く影を落としていましたが、今回の訪問は、戦後80年が近づく中、“新しい友好のスタート”になると思います。
エリザベス女王の葬儀の時の写真を見ると、お二人ががっちりと、力を込めて握手されています。そこに40年来の交友、信頼関係がのぞいていると思うんですね。
■両陛下の“思い出の地”お二人で初めての親善訪問
天皇陛下はイギリスを「第2の故郷」とも言われます。400年の交流の上に、陛下が皇后さまとどのような友好親善を築かれるか、とても注目しています。 ――天皇陛下と皇后さまがお二人でイギリスを国際親善訪問されるのは初めてということなんですよね。 そうですね。前回葬儀はありましたけれど、親善訪問という意味では今回が初めてとなります。 ――お二人にとってもイギリスは思い出深い地だと聞いています。 天皇陛下の皇后さまもオックスフォードに留学されていますので。 ――ですので、今回の訪問をとても楽しみにしております。 【井上茂男(いのうえ・しげお)】 日本テレビ客員解説員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)